泥棒猫が出血多量

 「伊丹空港(大阪国際空港)……。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 前のエントリの反響も待たず、続きましては植松様……。
 
 時間のあるうちに、ということで……。
 
 ただ、廃屋周りでやってるといつまで経っても×××に辿り着かないという懸念もあるのですが……。
 
 まあ、長い目で参りましょう……。
 
 では、拙文はじめ。
 
 
 「ほら、終わりっと。」
 「ありがとうございます……。」
 
 タワー型パソコンを組み上げた魔皇・植松宗撰に、鳩が恭しく礼をした。
 
 「いいってことよ、まあ、暇つぶしだからな♪ただ、ちょいと玄人志向にしてあるから、乗りこなすまでは苦労するとおもうがねぇ?」
 「乗り越えます。」
 「きっぱり言ってくれる。」
 
 そう言って宗撰はソファにどっかりと腰掛けると、懐から煙草を出し、一本口に咥えた。
 鳩は早速立ち上げを開始し、その横から宗撰の逢魔・インプのティアが覗き込む。
 
 「すいませんね。うちの子の我侭に付き合って頂いて。」
 「何、世話になってるし、何かで返してくれればいいさ。」
 
 ん、と差し出された煙草を、鳩の主人である魔皇・筧次郎は一本摘まんだ。
 
 「しかしまああの鳩ちゃんがねえ、今じゃネットジャンキーか。」
 「困ったもんですよ。」
 「結構自意識出来て来たじゃん。」
 「困ったもんですよぉ。」
 
 苦く笑いながら宗撰の隣に次郎が座る。
 
 「あ、これが鳩ブログかあ!」
 
 ティアがはしゃぐ声が聞こえる。
 
 「ティアちゃんも、かわいい盛りなんじゃないですか?」
 「おいおい、それどんな皮肉?」
 
 童顔で背が低い為若く見られがちだが、ティアは実はここにいる四人の中で最も年上である。
 本人は15歳と言ってはばからないが、お肌の曲がり角は既にパスしている。
 
 「誰かわたしの歳の話をしたか!」
 
 鋭い声と眼光が男二人を睨んだが、してねえよあっち向いとけと宗撰が手を振るだけですぐに引き下がった。
 その遣り取りを見ていた次郎がヒュウと口笛を鳴らす。
 
 「阿吽の呼吸って奴ですか。」
 「扱い方が分かってきただけだよ。聞くところじゃ鳩ちゃんはじゃじゃ馬盛りっぽいみたいだけど?」
 「本当、困ったもんです。」
 
 煙草をもみ消しながら次郎がぼやいた。
 殆ど口がつけられないまま消されたそれを見つめながら、宗撰が続ける。
 
 「……まあ、頑張ってくださいよ。」
 「あははぁ、何を頑張るんです?」
 「調教とか?」
 「男二人が録でも無い事言ってるよー。」
 
 ティアがわざと聞こえるような声で、鳩に言う。
 
 「……既に五年目ですから。」
 
 鳩がモニタから目を逸らさずに応えた。
 
 「PTSDとか抱えてないの?」
 「多分……調べればそれなりにはあると思われますが……問題ではありません。」
 「偉い子だ。」
 
 灰色の髪で覆われた鳩の頭を、ティアの手がすべすべと撫でる。
 鳩は我関せずといった風情で銀の篭手の指先をキーボードに走らせる。
 
 「それにしても、渾名『道具』ってのが凄いな。」
 
 宗撰が煙を吐いた。
 
 「適切だと思っただけです。」
 
 次郎は飽くまで笑って応える。
 『道具』とは、鳩の渾名。何か役職名などで呼んだ方が良い場合などは、次郎は鳩のことを、『鳩』や『パティ』ではなく、意識的に『道具』と呼んでいる。
 
 「道具に自我が芽生えたら、」
 「見てのとおりですよ。」
 「くっくっくっくっく……。」
 
 宗撰が一本目の煙草を吸い尽くし、二本目を口につける。今度は次郎には勧めない。
 
 「ジロさん煙草嫌いなの?」
 
 先ほど次郎が、自分が与えた煙草を殆ど吸わないまま消しているのを見ていた。
 
 「いやあ、吸える事は吸えるんですがね?ヤニの匂いが気になっちゃって。」
 「ああ、そう……。言ってくれればいいのに。」
 「火をつけてすぐの一吸いが最高に美味いんで、つい誘惑に乗りました♪」
 「はっはっは……。」
 「それに、清掃員がヤニ臭いなんて説得力が無いでしょう?」
 「あっはっはっはっは!まあ、そりゃそうだ。掃除しますって言った口からマッキッキの歯が見えたら『お前がやるのか』ってツッコミ入れたいよな。」
 「誰とやってツッコむのですか……?」
 
 鳩が振り向いた。
 
 「次郎ちゃんさあ、鳩ちゃんにどういう教育してるのよ。」
 
 ティアがぼやく。
 
 「さあねえ♪まあ後で躾けなおしておきますよ♪」
 「激しく悪化しそうなんだが。まあそれもまた良し!」
 
 宗撰が笑った。
 
 「鳩今何見てます?」
 
 ティアが応える。鳩は画面にかじりつきっぱなし
 
 「ネトゲ板じゃなくて?」
 「それ以上突っ込んだら負けな気がするんだが。」
 「あとタブにヲチ板も保持してる。」
 「ティア、その辺にしとけ。」
 「うん。」
 「鳩もほどほどに。」
 「……。はい。」
 
 画面から目は離さずに鳩が応える。
 
 「ジロさん、鳩ちゃん今の沈黙はちょっと反抗の意思が見えた気がするぜ?」
 「そうですね。……まあ、趣味なら別にいいです。止めても変な抑圧になるだけだ。」
 「そういやジロさんは趣味とか在んの?」
 「仕事です♪」
 「本当は?」
 「『高級な』お風呂♪」
 「アンタもな、もちょっと突っ込みやすい趣味をもたねえと話題が振りにくい。」
 「ゴメンなさいね、でも嘘じゃありませんから。……魔皇って風当たり強いんですもん。ナンパも合コンもできやしない。」
 「うちのティア貸そうか?」
 「貸すな!」
 
 ハーケンが飛ぶ。宗撰最小限の動きで交わす。
 
 「必死で魔力抵抗します。」
 「嫌がるな!」
 
 ハーケン再び。次郎最小限の動きで頚動脈に命中させる。派手に飛沫く血。派手に浴びる宗撰。
 
 「うぉい。うぉい!」
 「あらら。」
 
 慌てた様子もなく、次郎は首の根っこの辺りを掴み、ごきりとまげて取り外した。
 ソファの裏側に体を伸ばすと、何事もなかったかのように新たな首を繋げて起き上がる。
 
 「やれやれ。」
 「前から気になってたんだが、それどういう仕組みなんだよ。」
 「秘密です♪」
 
 次郎が踏みしめた床板が跳ね上がり、床下への穴があいた。外した首を放り込み板を戻す。
 
 「血は本物ですよ♪」
 「ああ、鉄の味がする。」
 「シャワー行って来たら?」
 「貸してもらうよ、全く!!」
 
 荒々しく席を立った宗撰の背に、手を振る次郎。
 
 「ジロちゃーん?」
 「はぁい?」
 
 ティアの声に次郎が振り向く。
 
 「あたしが言うことじゃないけどさあ、鳩ちゃんにもうちょっと気ぃ遣ってあげてもいいんじゃない?」
 「そうですかなあ?」
 「同じ逢魔として、何か、不憫というか。」
 「鳩は、満足しています。」
 
 相変わらず画面から目は離さぬまま、鳩自身が抗議した。
 
 「いつかぶっ壊れるよ。」
 「……。」
 
 鳩の沈黙が場を支配してから、次郎の哄笑が部屋に響き渡った。
 
 「ぶっ壊れるって?ティアちゃん。ふ、ふふふはははははははは!く、くははははっはっはっはっは!」
 「もう遅いかもしんないけどさ、ジロちゃんあのね、おんなのこは、」
 
 ティアの言葉はそこで途切れた。
 
 「ちょっとでも僕らのこと、まともだと思ってらしたので?」
 
 その瞳が、黒い炎のように見えたから。
 
 
 いつしか、鳩がキーボードを叩く音が、BGMからメインミュージックに変わっていた。
 
 
 
 うへ、ヤマナシオチナシイミナシ。
 
 もうちょっとプロット考えてから書けばよかったです、ね……。
 
 ごめんなさい。」
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