モスとかマクドとかビールとかかっ喰らってたら米をえらい期間放置していたんだが

 「どうした、太刀筋がすくんでいたぞ。
 
 こんばんは鳩です……。
 
 ……本日は、思いつきで、二度目のお借り上げ……。
 
 プレイヤー神様AFOBNOにと既にその舞台を移していて、恐縮気味なのですが、思いついたので遠慮なくいきます……。
 
 同じ世界で生きる方を勝手な妄想の中に放り込み文にするのは、存外に変な気分ではありますが……。
 
 暖かく見守ってくだされば幸いです……。
 
 では、凪刃様。二本目、参ります……。
 
 
 『それでも尚生きるなら』
 
 「……今日は人が居ないんだな。」
 「今日は、お一人で?」
 
 それは冷たいビルの中。罅割れたコンクリートに囲まれた一室で、凪刃凍夜はソファに座る男に向かって話しかけた。
 彼が知る限り、そのビルにはいつもはそれなりに人がいることが多い筈なのだが。今日は染み入るほどに静かだ。
 
 「『鳩』は?」
 「お使いに出ていますよ。」
 
 ソファの男は、身を沈めたまま応える。
 鳩とは、ソファの男……筧次郎の『逢魔』の名だ。
 
 「今日は何用で、こちらにいらしたので?」
 「少し……話を。それと。」
 
 凍夜は、帽子を持ち上げ、初めて次郎と目を合わせた。
 
 「決着を着けに。」
 「穏やかではありませんな♪」
 
 次郎は目を細めて、愛しい赤子でも見るような顔で凍夜を見つめた。
 
 「……人払いをしたんだろう?」
 
 わかっていたんだろう?俺がお前に逢いに来ることは。
 
 白々しく笑う男に凍夜は言う。
 
 「ふむ。バレてましたか。」
 「これでも探偵の端くれでな。」
 「それならば話が早い。『どうぞ』。」
 「……。」
 
 促された凍夜はしかし暫し沈黙する。
 やがて、口を開き、ゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
 
 「俺と、お前は、違う。」
 「ええ、そうですね♪同じだったらそれこそホラー♪」
 「俺はお前のように、憎悪を肯定はしない。憎悪だけで生きてはいかない。」
 
 次郎の目つきが一瞬鋭いものになったのを、凍夜の目はしっかり捉えていた。
 
 「だが、お前が嫌うように『人間であろう』と願って居る訳でもない。
 ただ、『魔皇』として。魔皇という存在と、そのあり方を受け入れて生きていく。」
 「……ふうん?」
 
 次郎は座ったまま、それを聞いている。見た目に特に変化はないが、凍夜は自分の言葉が彼の心に踏み入っていることを自覚している。
 コートの中の銃の在り処と、魔皇殻を召喚してからの動きを心の内でしっかり反芻する。
 目の前にいるこの男は。
 『敵』と判断したものの排除に躊躇しない。それ許し置くほど『人間』が出来ている男ではない。
 
 「一応、な。前、頭に血が上って言いそびれたことを、宣言しに来た。」
 「お話は、それだけ?」
 
 そうではないでしょう?次郎の瞳が言う。心を覗き込む。
 何かの本で見た、「闇を見つめる時、闇もお前を見つめている」という言葉を、凍夜は思い出していた。
 
 そうか。そうだな。踏み入れられたくないこととは、即ち闇。
 こいつの存在は、俺にとって、目を背けたいこと『そのもの』なんだ。だから、『逃げたくなかった』。無視しているわけにはいかなかった。こうして宣言し、きっちりと決別しなければいられなかったのだ。
 凍夜は一つ深呼吸をし、次の言葉を紡いだ。
 闇に踏み入る為に。
 
 「次郎、お前は、魔皇じゃない。」
 「なかなか、面白い推論ですね。」
 「お前はまだ魔皇じゃない。『人間ではない』というだけだ。
  俺は確かに、殺すことや戦うことから逃げた。平和を望んだ。だが、それは俺が『魔皇だから』だ。
  バケモノでも人間でもなく、『魔皇だから』だ。それ以上でも以下でも無いからだ。」
 
 凍夜はもう一つ呼吸をした。逆鱗を触る覚悟の為に。
 
 「神魔だのバケモノだのという言葉にかこつけて、お前はお前自身を受け入れていない……。
  ……お前は。『魔皇』であることから逃げているだけなんじゃないのか?
  少なくとも、俺はそう感じる。」
 「……。」
 
 次郎の目が宙を泳ぐ。
 表情は、興味なさげな子供、と言った風情だが、いつものような笑みは、無い。
 
 「……だから、あなたの方が正しいと?」
 「いや?まあ、俺にとっては俺が正しい、としか言い様が無いし。俺はお前をそう感じた、というだけだよ。
  お前が自分をどう思おうが構わないし、それはどうでもいい事だ。」
 「……凍夜さん。確かにあなたの言うとおり。僕は、『魔皇』では、ありませんね。」
 
 次郎の顔に少しずつ笑みが戻り始めた。
 
 「『魔皇』の居場所は狭い。だが、僕はそれに不満な訳ではないんです。
  もっと正確に言えば、僕の不満は『それ』じゃあない。
  凍夜さん。あなたと一緒に大戦に加わった時から、僕は変わってはいない。
  あなたが今を受け入れようとしているのと同じ位、僕はこれを譲れないんですよぉ。
  そう、『そうでなければ生きて行けない、あなたが今のあなたを肯定するのと同じく』。」
 「……。」
 「弱い、と思いましたね?」
 
 次郎の闇が、凍夜の闇を覗いていた。
 
 「それで結構♪僕は弱い。あなたが肯定する平和。あなたが肯定する安息。それは、人間なら、いや、知的生命体なら誰でも志向するものです。あんな手ひどい殲滅戦の後では特にね。」
 「……。」
 「僕は、『それに適応できなかった』だけ。」
 
 だから、『魔皇』ですら、無い。
 
 「だからこそ、僕はただ、『バケモノ』と言った。」
 
 あはは、と次郎は笑う。
 
 「それを肯定した訳か。魔皇の生き方を否定して、それを取ったのか。」
 「そうです。……最早理解してもらおうなどとも思っていないので、どうしてそう思うのか、どうしてそのように考えるかという自己分析を語ることはしませんが、僕は『人間』も『魔皇』も、どちらになることも耐えられなかった。
  ……つまるところ。」
 「『筧次郎であるということは、『人間』でも『魔皇』でもない何かである』ということか。」
 「そいつを捨てる訳には、行かないでしょう?」
 「……。」
 「割と、僕も必死なんですよ。自分と折り合いをつけるのに♪
  気がついたら、ここにいた。ただのバケモノという場所に。そして、戻る術もそのつもりも、ない。
  そこには僕の居場所はないのだから。」
 「……わかったよ。
  次郎。お前は確かに。敵だ。」
 「ええ、何せ、『筧次郎』ですから♪」
 
 次郎は最早、いつもの笑みを完璧に取り戻していた。
 
 「でも誤解しないで下さい?僕は、あなたのことが大好きです♪」
 「そうか、俺は大嫌いだ。」
 
 ハオハオ♪笑み混じりの声を背中に、凍夜は出口に向かった。
 
 その背中にもう一声。
 
 「また逢いましょう、近い内に♪いえ、我々が嫌がっても、恐らくは避け得ない……」
 「ああ、その時は、迷い無く撃つ。」
 
 背中越しに凍夜は応え、そして出て行った。
 
 そう、次に逢う時は共に戦った同士などではなく、間違いなく。互いに排除すべき敵同士の筈なのだから。
 『バケモノは人を食うからバケモノなのであり』、
 『人はバケモノを調伏するから人たりえる』。
 
 決着が一つつき。そして、いつか消すべきしこりが、また一つ生まれた。
 
 
 以上です……。」
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