如何にしてアンナはPatriになりしか。

 「そんなに呑むな、からだに悪いぞ。吐き出せ、たまには。まあ俺は……。逃げるけどな。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 暇だし、どこぞのリクエストもありましたので、おばちゃんの話を少し。
 
 丁度、過去のエピソードがありますのでそれを焼きなおしトリア・サテッレウスうウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!
 
 本当に楽しんでくださってありがとうございます。何か表示件数が異様に少ないのは、多分エロアドが連続投稿かました名残りです。(表向き削除しても、実はあれ、『表示しない』ように設定しただけなので実体はあるのです。)
 
 ふう。過去のエピソードはこちら。
 
 
 踏まえなくても結構です。では参ります……。
 
 
 
 ん?遺産相続かね、名前は?パトリアンナ・ケイジ?いや、お前は違うだろう……。
 何だ、そういうことか。本人には、もう聞けないものなあ。アトランティスに行ってしまったから。
 
 ……隠しておくべきことでも、無いか。
 まず、パトリアンナ・ケイジは、本名をアンナ・コッポラと言う。
 我々も少し苦労したのだ。普段名乗る名前が全くのデタラメとなると、相続する遺産の真贋を遡るのが難しいからな。
 最近は相続に来るものも少なくなったし、暇つぶしに少し説明してやろう。
 
 アンナ・コッポラ。
 ここキャメロットから西にある山間の街、バーミンガムの出身。100年ほど前に神聖ローマから月道を通ってこちらに渡ってきた貴族だ。
 
 ああ、貴族だったんだ。過去形だがね。
 
 神聖暦975年に、父ジュリオ・コッポラから、国に対して「縁を切った」と報告がある。
 まあ、彼女の遺産は200年前のフランク抗争のものであり、「イギリスの財産」として接収した遺産はどの道このコッポラ家を通らなかった訳だが。
 
 縁を切る前のことは知らない。家族に縁を切られた後、神聖暦999年5月19日に冒険者ギルドへの登録。実に24年の月日を経て名を国に刻みなおした訳だ。その間のことは知らない。本人に……ああ居ないんだったな。
 
 ちなみに、コッポラ家はパトリアンナが縁を切られた神聖暦975年にその名が途絶えている。ジュリオの売却によってな。
 
 
 ――――――――
 
 「そりゃあ、碌でもないもんだったさ。」
 
 今、アトランティスの酒場で彼女は笑う。誰が信じるだろう、冒険者としてギルドに名を連ね、武闘派として知られる御歳四十を超えた女性レンジャー、種族人間。
 それが、貴族の末裔だったなどと。少女時代はそれなりの、貴族的な暮らしをしていたなど。
 
 だが、笑っているのは彼女だけ。周りの呑み友達は神妙な顔で聞いている。
 
 傭兵、パトリアンナ・ケイジは如何にして、パトリアンナ・ケイジとなりしか。
 
 「家に、時々訪れる背の高い――――子供の頃の記憶だから、その時の印象だけど、とパトリアンナは付け加えた――――「おにいさん」が、好きだった。
 
 『あのにいちゃんはいつ来るの?』
 そう言っていつも親を困らせていた。
 『にいちゃん』が来るとあたしはいつも、彼の膝の上に座った。笑って受け止めてくれるのが嬉しかったけど、きまって、すぐに父が、『大事なお話があるから』と自分の部屋へ行くように言った。
 何度かは、嫌、とぐずった気がするな。
 
 いつだったか。話が終わったらしく客間のドアの開く音がして、いつものようにあたしは其処へ駆け下りて言った。
 『にいちゃん』はいつものように笑っていたけれど、横目に見えた父は、今まで見たこともない表情で頭を抱えていた。
 
 あたし、雨が嫌いなんだよ。その兄ちゃんが『さよなら』って言った日だからな。
 外でびしょびしょになりながら、頭が真っ白になるくらい泣き喚いて、母に引きずられるようにして部屋に叩き込まれたっけ。
 
 そのすぐ後だった、引っ越したのは。
 
 前の屋敷よりずっと小さな家。どうしてと何度も聞いた。前のおうちはと聞いた。
 どうしても欲しいって人がいるから、あげたのって母は言った。
 それが、例の『にいちゃん』のことだと思い当たるには数年あと。
 
 そう、『にいちゃん』は家を買う相談をしに来て居たんだ。そして、父が突っぱね続けた。
 
 それを知るのと同じ頃、あたしには歳の離れた兄や姉が何人かいて、もうとっくに家を出ていることを、それとなく悟った。
 思えば、周りの友達に比べてあたしの父母は年寄りだった気もするな。
 で、あたしも出て行った。」
 
 
 そこまで話して、アンナはシチューを啜り切った。
 
 「続き、聞きたいか?」
 
 一同は黙っている。
 
 ……。
 
 生きたというだけじゃ満足できない、それを誰かに、話さなければ、か。
 誰にともなく呟くと、アンナはまた話し始めた。
 
 「親に対する愛情なんてなかったなあ。
 あの歳になって家名をまだ大事にしようとしがみつく父と母が汚く見えてしょうがなかった。自由は外にあると思ったんだ。
 
 殆ど何も持たずに出てな。
 野垂れ死にしそうになって世の中を舐めてたことに気付いたときにゃ、ゴミ拾いになってた。
 ゴミ拾い仲間に名乗った名前が、アンナ・ケイジだったの。Cage。檻。何となくな、思いついただけなんだが。
 街のゴミってのは、まだ結構喰える……。いや、すまん、酒場でする話じゃないね。まあ、親のようにはならんぞと自分に言い聞かせてさ。
 
 ゴミ拾いの仲間の中じゃあ珍しくも若い女、その割りに根性があって仕切りたがりだってことで、親父と呼ばれたの。
 親父アンナ。それでPatriAnnaって訳。
 
 3年ぐらいそこで『修行』をしてさ♪そしたら何だかそこも窮屈になっちまって、森に逃げた。
 生来人間が嫌いだったのかも、しれないね。人間つーかシガラミが。地位とか名誉とか立場とかそういうの。そういうのを意識して生きるのが。
 
 本当に一人で生きていくために、森で自給自足しようと思ったの。
 
 こっから先は本当に何も無い。40になるまで、冒険者って何だか良く知らなかったってだけ。それまでは、ずっと森で木の実やら狩った獲物やら喰ってた。
 
 終わり。」
 
 ……。
 
 「森で、人に逢ったりは?」
 
 聞き手の一人が、問うた。
 
 「間違って射られたこともあった♪」
 
 笑いながらパトリアンナは応える。
 
 「恐れられたり説教されたりもしたっけなあ。共通してるのは、誰も彼も二度とは来なかったってことさ。『にいちゃん』とは違って。」
 
 アンナは手を挙げて、酒場の花ファラ・リンクにシチューのお代わりを要求した。
 
 「だから。ねえ?
  生き急がなくちゃいけないのさ。
  あたしの、もう数えたくもないような、無駄の塊だった年月を取り返さないと。
  空白の、ぶつ切りの、空っぽの、生きているだけの獣みたいな人生を自由だと思ってた、あの時間の分を取り返すにゃあ、できることはすぐにやらないと。」
 
 アンナの目が遠くを見つめる。
 
 ――――空虚な過去よ、あたしはお前が悔しい。
 ――――まだ見ぬ未来よ。あたしはお前が恋しい。
 ――――さあ。
 
 「……楽しませておくれ。」
 
 
 
 以上。」
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如何にしてアンナはPatriになりしか。 への3件のフィードバック

  1. 田吾作 より:

    そっそんな目で俺を見るな、そんな目で見られたら俺はオレワ…!!興奮、しちゃうぢゃないか…(ズキューーーーーンンンンンこんばんは。汚濁垂れ流し隊名誉会長の田吾作です。こちらこそ、毎度毎度この何と言うか生暖かい変なブツを置かせてくだすって真にありがとう存じます。に、してもアレて実体が残ってるのでしたか。道理で…にしてもやっぱりおばちゃんは素敵でしょうがなく。誰も彼も、生きたというだけじゃあ満足できないのですね。

  2. 田吾作 より:

    あと他にも色々続きを書かにゃならんのにこんなん書いててごめんなさい(汗)書かなきゃ、と言うより僕も書きたくてならないのですががが未来ケイジとか。何でこんな朝五時とかにもそもそ書いてんだ。ルナが私を狂わせたのです。

  3. きうい より:

    さあ
     
    楽しませ手遅れ、

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