今夜は奥までねじ込んで

 いい子だから 聞き分けておくれ
 
 どうしても自分のものにならないのなら 鬼は お前を母親からとりあげて骨まで食べてしまう
 
 わたしは自分の正体がわかっている
 
 
 この執着は我が身そのもの わたしだけのもの 誰にも渡さない。
 
 
 ――――朝霧の巫女  こま
 
 
 「お前たちが真実だと信じたいことなど
 
  ありもしない幻想なのだ。
 
 
  そう言って、鳩(はと)の主(あるじ)は短剣を抜いた。
  随分と暴れた獲物だった。主の半袖のシャツには血が滲み、鳩の前歯も一本折れている。
 
  光となって散っていくファンタズマは、存外に美しい。血を流すくせに、最後は光になるのだ。死ぬ時には髪の毛一本すら残さない。
 
  倒れているのは一人の女。ずるずるとまだ血が広がる。
  筋肉を貼り付けた其の肉体は、戦う為に鍛え上げられたものなのだろう。
  中級のシャイニングフォースまで使えると、見抜けなかったのは失態だった。
 
  「鳩。」
 
  主が呼んでいる。
 
  「何か、想うことは?」
 
  主は死体を指差して言った。
 
  「ゴミです。」
  「50点。」
 
  模範解答だと、想ったのだが。
  主は使い捨てのナイフを取り出すと、死体の首筋に思い切りつきたてた。
 
  「ゴミ、だけなら50点。」
 
  主は言う。
 
  「さあ、帰りましょう。」
 
  多分、あのつきたてたナイフが、怒りか何かの籠もったあの一撃が正解だったのだろう。
  だけど、鳩には、目で見ることができても、それを理解することが出来ない。
 
  ただ、今日はとても。
  八つ当たりをされそうな気は、した。
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