月影日だまり誘蛾灯

 「死神だ。 教えてやろう。狂った夢とその少女の意思が溶けたとき。
 
 其処に死神が顕現する。全てに平等。平等に苛烈な、死の神が。
 
 
 こんばんは。鳩です……。澪音の世界は未だ鳩を蝕み続ける……。
 
 さて、ちょうどオフと同時期に月島・日和さんのPL神様とご縁がありましたので調子に乗ってまいります……。
 
 あの、続き。
 
 今度こそ喜んでいただければよいのですが……。
 
 
 
 「参りましたなぁ。」
 
 次郎は笑った。
 
 「……。」
 
 鳩は篭手を磨いている。
 
 「期限が近いのですよね、今回の依頼。」
 「また、踏み倒しますか……?」
 
 鳩の声に、次郎はただくつくつと笑うばかり。
 
 「……主、急いだ方が、よいかと。」
 「うーん。」
 「……アレは、強くなりますよ。まだ。……我々より、早く。」
 「うーん。」
 
 気のない返事をする主に嘆息し、稽古をしてきますと部屋を出ようとしたところで次郎は漸くまともな言葉を口にした。
 
 「倒しますよ。」
 「……何時ですか。」
 「必ず。」
 「……。」
 
 薄暗い廃屋に、空気が澱む。
 
 「アレはねえ。実に面倒なんです。」
 
 前の席を促され、鳩は主の向かい側のソファに座る。
 
 「ゲシュタや洋平と同じく、単純に力が強い。」
 
 天使対悪魔。過去の大戦において、一個体の絶大な戦闘力が戦況を掌握した例は枚挙に暇が無い。
 魔人のレベルは1から10どころか、1から100に例えることができるほど格差が広く、特に神属は、大天使やマザーなど、生まれが『ピュア』なものほど強力で、賢天使に至ってはその一体を相手にするだけで数百数千の魔皇を動員する戦争になる。
 
 神魔の領域において、膂力の差というものは実に如何ともしがたい要素の一つなのだ。
 
 「それに、ほら。迷いが無い。」
 「……。」
 「その上、殺気がない。迷わず、殺さず。
 あの歳で、踏んだ場数はハンパじゃない。でなければ、あんな目はできません。あんな自信は持てません。」
 「……。」
 
 殺さない戦い方。負けない戦い方。それを実践したという歴史。歴史が後押しする自信。
 一朝一夕ではない。実力と経験が産む、ある種の達人の境地。
 
 「乾坤一擲不意打ちだったら、完全に終わっていた。正面からでよかった♪」
 「どういう、ことです?」
 
 楽しげに笑う主に、無表情のまま鳩が問い詰める。
 
 「力が強い、ということは、反射能力が高いということです。
 全力をこめた不意打ちに後から反応されたら、どんなカウンターをもらうか。
 やりあってわかりました。あれは『異常』です。なまじの搦め手が通じる相手では無い。」
 「……。」
 「ただ、ありがたいことに……。」
 
 不意に扉を叩く音が聞こえる。
 パティが、はい、と応え鍵を開けると、其処にいたのは今正に噂をしていた、月島・日和と逢魔・悠宇。
 
 「……『初めまして』、「迷いの森」の、月島・日和と申します。」
 「……悠宇、だ。」
 「お待ちしておりました♪」
 
 複雑な表情の日和と憎悪が隠しきれない悠宇に、次郎は輝くような笑顔で礼をした。
 
 「さ、まずは讃岐饂飩でも♪」
 「主……。」
 「パティもご挨拶。」
 「……。……『初めまして』、鳩、と申します……。」
 「月島、と申します、ご丁寧にどうも……。」
 「……よろしく。」
 
 
 「楽しめる程度には拮抗しているんですよ♪依頼を果たせないのは残念ですが、僕が何者であるか知っている方を僕の知らない場所に放置はできないでしょ?それに。」
 
 傍らの鳩に、筧は笑って見せた。
 
 「彼女に鍛えてもらえば、あわよくば。彼女もまた鍛え上げられれば。
  神魔滅却のその日は近くなるとは思いませんか?ゴミを迷わず殺せる僕とあなたと、目の前の敵を迷わず打ち倒せる彼女と彼氏とで♪
  実に楽しい毎日ではありませんか、それに比べれば、唯一つの依頼など問題にならない。
  どうです、パティ?」
 「……クライアントへの言い訳を……考えておかねば……。」
 「無期限延期とでも言っておけばいいでしょう♪」
 
 鳩が切り分けた饂飩を次郎が鍋の中にほどき入れる。
 
 「文句があるなら、自分で殺せ、ってね♪」
 
 次郎は、尻の青いテロリストからの依頼状を、ガスの火で炙って窓から投げ捨てた。
 
 
 以上です。」
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