般若と龍

 「お前の笑顔には、目が伴っていない。目が、笑っていないんだよ。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 「恨むなら――――お前を生んだ親を恨みなー!」
 「……ご同業ですか。」
 「概ね殺す、殺殺銃(バラバラガン)!!」
 「必殺じゃないのか。」
 
 太陽が落ちてきたようなガンファイヤーと、二拍おいての出鱈目な爆撃音。
 機械で出来た女が手に抱えるランチャー、般若筒が文字通りの火を噴いた。
 
 「避けたね、んんん、第二射!」
 「頭の回路はもう少しメンテを慎重に為された方がよろしいかと。」
 
 砲を向けられたもう一人の女は銀の篭手に長剣を構え、突撃する。
 
 「神は神話に魔は大地に!」
 「では人外は?」
 
 砲撃が剣の女の肩口を掠め鼓膜を飛ばし、残撃が砲の女の鉄でできた股関節に皹を入れる。
 
 「塵に帰れ!すべては!この国を!」
 「人の手に戻すために。」
 「は?」
 
 急に気の抜けた声をあげ、砲がポスンと間抜けな音を立て不発。
 呆けた顔面に剣の横腹がたたきつけられ砲の女が倒れる。
 
 「わたくしは筧・小鳩。」
 
 剣の女が名乗ると。
 
 「わたしは……如月。なんだよーーーーなんでわたしのセリフとっちまうんだよーーー!」
 
 砲の女が吼えた。
 
 「わたくしもまた……魔を狩り神を屠り獣を調伏するものですから。すべては、我が主の為に。主の望んだ人の世の為に。」
 「……変わった魔人だな。」
 「変わったロボットに言われたくありません。」
 「よし、決まり!呑みに行こうぜ!132分52秒ほど時速22キロで走ったところにオイルは悪いがサービスのいい鉄工所があるんだ!最近景気が悪いからお前のおごりでな!」
 「次の仕事もありますしわたくしにはオイルを飲む趣味はありませんのでご遠慮させていただきます。」
 
 急に人懐っこい声を上げた如月に、小鳩は冷たく言い放った。
 
 「何?お前の仕事って。」
 
 ちゃき、と音がして、小鳩の手に小さな拳銃。狙い撃つは砲の口。
 爆音。
 
 不発の弾が暴発した。
 
 
 「踊る帝都の、虫下し。」
 
 
 ちきしょうめ。
 揺らめく焔の向こうに小鳩の白いスーツが遠ざかる。その背中に如月は確かに見た。こちらを見据える。大きな一つ目の紋様を。
 
 
 近いうちに、砲の女と剣の女は再会することになる。ほろびという名の黒が蔓延る、その世界で。
 
 
 ごめんなさい。謝れば許されると思ってるあたりごめんなさい。
 
 0008でごめんなさい。
 
 追記:関係ありませんが、最近とても良いと思ったノベル。
 
 ありがとうございます。」
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