愚かな提案があるのだがどうだろう

 「できる限りの破壊を肯定するのだ。
 
 こんばんは、鳩でございます……。
 
 
 折角ですから、反撃を……ただし、無断で借り上げるのは、こちらの方です……。承諾を取っていないので、あかんかったらあかんとお願いしますね。
 
 では。どうぞ。
 
 「おろかな提案があるのだが、どうだろう?」  
 
 「お邪魔致します……。」
 「おや、いつぞやの。脚の具合はもういいのか?」
 
 医院を訪れたパティ・ガントレットに声をかけたのは、院長・数藤・恵那(すどう・えな)。
 先日、パティがとある退魔師と死闘を繰り広げた際に、負傷した脚の治療を行った「人間」である。
 
 「ええ……。幸いわたくしの眼は、多様性に富んでいますので、少々反則技を用いて、無理矢理接合しました。」
 「……一医師としては、褒められた手段とは言えないな。」
 「申し訳ありません。しかしこちらも、スケジュールが詰まっておりましてね……。立場上あまり脚を引きずっている様を見られたくないというのもございますゆえ、多少の無茶は大目に見ていただけると幸いです。」
 
 苦笑する数藤に、パティは眼を閉じたまま答える。
 
 「……しかしまあ。涼香にアレを使わせるとは。正直、そこまでやるとは思わなかったよ。おかげで仕事が増えてしまったが。」
 「申し訳ありませんね……。お互い、実力が拮抗していましたし、わたくしもまだ我が身が可愛いもので♪」
 「当然だ。わたしの目の前で命を捨てるマネなど許さん。」
 「……やはり、人間は素晴らしい♪」
 「で、今日は何用か?わざわざ人の少ない時間帯を選んで来たということは……。」
 「何、治療代を払いに来ただけです。……ついでに、涼屋のツケも預かって頂くつもりで。」
 
 あとは、脚の精密検査を念の為。そういいながら、パティはスカートのポケットから札束を取り出した。
 
 「……まあ、了解したよ。入りたまえ。」
 
 促されるままパティは診療室に入り、壊れていた脚をベッドの上に投げ出した。
 
 「ふむ。やはり少々骨の繋ぎが甘いな。まあ、ギプスで固定して暫く待てば、完治する程度だ。
  あ、そうか。それを見越して大雑把にしか繋がなかったのだな?」
 「歪んだまま接合すると、却って手間がかかりますからね。折れた部分はそのまま、筋肉と筋のゆがみだけ大雑把に治しました。」
 「素人にしては正しい選択だ。わたしのところに検査に来たのもね。
  しかしまあ、死なずに済んでよかった。」
 「全くです♪あれをまともに喰らっていたら、わたくしは今頃襤褸布になっていたでしょう……。」
 
 溜息をつく数藤に、パティは笑って応えた。
 
 「わたくしの眼は、汎用性に富む代わりにあの方ほど強烈ではないのです。
  軸を外しつつ、向こうの目を押さえ込むので精一杯でした……あいたた!」
 「ふむ……。物好きだな。」
 「そうでしょうね。」
 
 先日の暴挙を楽しむような口調がが気に障ったのか、聊か乱暴な検査を行う数藤に、パティは眼を閉じたまま苦笑する。
 
 「しかし、あの方にあって確信いたしました。
  この魔の蔓延る東京にも。希望はあると。」
 「……どういうことだ?」
 「……わたくしはマフィアの二代目なのです。初代の志は、人間の文明の復古。わたくしはそれを継ぐ為だけに生きている。」
 
 パティが語り始めた。
 
 「あの方も、あなたも。
  『脅威』を排除するための力を充分に備えている。
  それは、人間と言う知的生命体にのみ許された、『防御機構』です。
  文明社会は神話を否定し、夜の闇を照らし、恐怖を押しのけることで進んできた。
  それは尊いことです。とても。」
 「バケモノのお前がいうのかね。」
 「バケモノだからこそ、ですよ。ヒトの多くは自分でもわかっていない。自分達の歴史がどれほど尊くて、苦難に満ちて、そして、不屈であるか。
  ……この東京の存在は。その、ヒトの歴史の冒涜に他ならない。」
 
 冒涜。数藤が口の中で呟く。
 
 「ヤクザはお嫌いでしょう?暴力で何もかも押しのける輩は恐ろしいでしょう?訳のわからないものには恐怖するでしょう?
  当然です。
  だからこそ、ヒトは全種族最強の座を手に入れた。
  この東京を残しては。」
 「……血圧が上がっているぞ。」
 「これは失礼。
  ……退魔や、あなたのような医師は。そういう、恐ろしいものに逆らう力です。
  わたくしにとっては、ヒトを信じるに足る。これから先、理不尽を理で理解し、殺す何者かであることを信じられる。」
 「……お前は、そんなに自分が嫌いかね?」
 「いいえ?ただ、わたくしすら殺せないヒトなど、時代錯誤も甚だしいと申し上げているだけです。」
 「ふむ。」
 
 数藤がパティの脚に再びギプスを巻く。
 
 「だから、マフィアなのかね?」
 
 ヒトを脅かすものであるために。
 
 「それもあります。
  まあ、主には。それ以外に生き方を知らないというのもございますが。
  それに、ヒトの代わりに脅威を潰すためには、組織の力が必要なのでね。わたくしは残念ながら神ではありませんので、他者の力を借りねば、夢を叶えられない。」
 「自虐が過ぎる気がするな。自暴自棄な輩は、医師としては不愉快極まりないが。」
 「……性分ですから♪ それに、それなりに誇りもございますよ。」
 「終わったぞ。」
 「ありがとうございます。」
 
 そう言ってパティは、十数枚の福沢諭吉をベッドの上においた。
 
 「釣りは、」
 「いりません。何より、わたくしがいくら涼屋にツケているかわたくしもあなたも存じませんでしょう?面倒ですし、まとめてお受け取りください。」
 「……では、次にお会いした時に、釣りを返すとしよう。」
 「よろしくお願いします。」
 「人間が、好きなのだな。」
 「……魔は希少種ですからね。繁栄を手に入れた種族が羨ましいだけですよ。」
 
 それだけ言うと、魔人・パティ・ガントレットは医院を後にした。
 背中越しに、一言だけ付け加えて。
 
 「トモガヤ・スズカに逢ったら言っておいてください。
  わたくしはあなたを尊敬している、と。」
 「自分で言いたまえ。」
 
 ふふ。
 数藤は確かにその笑みを聞きながら、魔を滅する魔人の背中を見送った。
 
 ごめんなさい。」
 
 
 
 
 「追記。
 
■お客様のペンネーム
 鳩 様
■購入商品名
 PCバストアップ
■購入番号
 キミの悲しみを因数分解してみようか!
■完成予定日
 2006-12-26
■キャラクター認証番号
 fa0203
■キャラクター名
 ミカエラ・バラン・瀬田
■発注内容
 髪型イメージ この項目は特定のゲーム専用の項目です。
髪型補足 この項目は特定のゲーム専用の項目です。
人物イメージ 長いストレートの黒髪に濃い褐色の肌、緑の眼光/蝙蝠の爪、翼、耳、そして牙を生やしています/イメージは夜の眷属/醜く変貌しつつある顔を片手で軽く隠しています/隠された顔は暗い憎悪の表情/セクシー格闘系お姉様です/獣化に伴い腕は逞しくなっています/
服装・装備品イメージ 半獣人形態、セクシー獣おねー様はお任せくださいの言葉を信用します/逆十字の銀の首飾り/外したサングラス/体に張り付くようなバトルスーツ/人間形態バストアップ『ではない』服を着ている/
参照する既存画像 最新のPC全身図を参照
参照イメージ 
形態の指定(BNO) 半獣人形態
 
 こ れ は 凶 悪 。
 
 もうすこしでおま○こ見えますよ。(鳩は少し発言を控えてください)
 
 ジッパーのしまらなさ加減がステキすぎます。体型標準なのに。
 
 防御能力の無さも素晴らしい。mr2様はそんなにヘソ好きですか?
 
 mr2絵師様、ありがとうございました……!」
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愚かな提案があるのだがどうだろう への2件のフィードバック

  1. @ より:

     Σ今度は恵那が…!
     ぁ、借り出しは全然問題ありませんので。本当にありがとうございます(深々
     っていうか恵那が恵那らしくてそれだけで大満足です。
     色々と感想もあるのですが、恵那から一言。
    「予後の事もあるし、また話もしてみたいから何時かきたまえ」

  2. きうい より:

    数藤さんがyou!EEEさんのキャラクターとは知りませんでした。
    喜んでいただけて何よりです。
     
     
    ガントレットは、何か鳩がショートストーリーィで出すたびに同じことばかり言っている気がします。
     
     
    そしてその数藤さんのお言葉は、「もう一つ書け」ってことでしょうか。

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