FALLEN ANGELS , THEY ARE BEAUTIFUL .

 「ココジャナイドコカニハ イマジャナイイツカニハ オマエガサガシテル アイガアルトイウノ
 
 こんばんは、鳩マン軍曹です……。
 
 
 行きます……。ごめんなさいヘンドリック神様、平・代真子さんはもうすこしだけお待ち下さいませ……。
 
 
 「ジロさんマーダー?」
 「マーダでーすのー?」
 「まーだでーすよー♪」
 「今暫くお待ちくださいませ……。」
 
 おせち料理が皿に盛られ、テーブルについている狭山・彩とセイレーンの古がおどけてキッチンの筧・次郎と鳩に言う。彩にいたっては皿を箸でチンチンと鳴らしている有様。
 次郎が作っているのは雑煮。そして鳩が饂飩を打っている。
 折角なのだから廃屋名物讃岐饂飩を頂いてもらいませんと、それもお雑煮バージョンで♪
 
 そんな次郎の持て成しなのであった。
 
 「あ、彩だめですよ!」
 「だってオナカ減ったんだもん。」
 
 待ちきれず、黄色が栄える伊達巻を一口パクリといった彩。
 
 「折角次郎さんが心づくしの御持て成しをわざわざわたくしたちを待たせることも省みず何も準備の無い状態から作ろうと言うのですからわたくしたちは待たねばなりませんよ、たとえ三が日が明けて暮れても。」
 
 辛辣な言葉で次郎の背中をつつく古。
 
 「すいませんねー。」
 「いえいえ、お気の済むまでどうぞ♪」
 
 追撃。
 
 「……ん、出汁はこのぐらいですかね。鳩。」
 「麺は、もう5分。」
 「了解。」
 
 お玉を置くと次郎が彩のところへ歩み寄ってきた。
 
 「狭山、彩さん。」
 「むぐ、何でしょうか。」
 
 見下ろす次郎のまなざしにぐっと目で応えつつ、口の中では飲み込み損ねて歯にこびり付いた金団を落とそうと舌が躍っている。
 
 「先ほどは大変失礼致しました。
  僕、女の子は基本的に好きなので、つい手を出してしまいました。」
 「未遂で終わったことを捏造しないで欲しいです。」
 「ええ、今度は未遂では終わらせません♪」
 
 目を丸くする彩と古に、次郎は恭しく礼をする。その後、何故か次郎の顔が困惑にコロコロと歪んで、それから言葉を吐き出した。
 
 「改めて、秘密基地廃屋に歓迎いたしますよ。狭山彩様、古様。」
 
 その笑顔は、困ったように眉をひそめた次郎にしては珍しい表情であった。
 
 「ああー、だめですなあ。どうにも、無駄な歳月と言うのは、寂しさが募るもので。
  見透かされているとは思いましたが、まさか僕の夢までお二人ご存知とは。
  一体何処で吐露したのやら。」
 「ん?鳩ブログ。」
 「あのバカ……!
  まあ、ですから。それならそれです。真正面から歓待し、お付き合い申し上げます。」
 「それは……ありがとうございます。」
 「具体的にはどのように?」
 
 しかし次郎は古の問いには答えない。
 
 次郎の脳裏には、彩の言葉がよぎっていた。
 
 ――――本気で殺る気じゃなく、甘噛みでびびらせて、
 ――――引きずり出そうとなんかされたくない。
 
 ――――私は今いい気分で、このまま人ぶってたいの。
 
 
 「男が女に勝ったことなど歴史上一度も無い。
  二度も思い知らされるとはね、魔人風情に。」
 
 彩と古の顔がまた固まる。目線で会話。
 
 ちょっと これは  まずいかな?
 あや あなた いったい  うえで なにを したのです?
 
 「ですから決めました。
  あなた方を僕らの友人として改めて歓迎し、包み隠さないようにいたします。
  イノセントのままでいさせたいというのは、僕のエゴでした。
  何しろとっくの昔に僕のことを存じていらしたのですから。
  今度こそ、真摯に汚します♪」
 
 ニコリ。
 
 ゾクリ。
 
 ゾクリ。
 
 「わたくしの魔皇様が汚されるのは、容認しかねます。」
 「なら何故。あなたはここにいるのですか?」
 
 ニコリ。
 
 ゾクリ。
 
 ゾクリ。
 
 「あたしも、汚されるのはちょっと嫌かなー、一応人妻だしー。」
 「なら何故。あなたはここにいるのですか?」
 「少なくとも……筧さんにやられちゃうタメじゃないね!」
 「あははははははは、それはそうですね♪
  じゃあ何の話をしましょうか。
  あなたのその、猫のごとき好奇心で知りたい全て、聞きたければどうぞ?
  尋ねて下さい♪
  他愛も無い話をしに来たならどうぞ?
  他愛も無い話をしましょう♪
  手加減無しで。」
 
 次郎はとっくに笑みを取り戻していて。
 
 「筧様の手加減無しは多分お正月に相応しくないおめでたくないことばかりだと思いますのでまた今度にいたしますわ。」
 「いざこうだ!といわれてみると訊きたい事ぱっと思いつか無いなあ。
 
 一応、自分に無い何かを探しに、虎穴にいらずんば虎子を得ずの精神で踏み込んでは見たものの。
 次郎の憎悪の正体なんて知りたくない、と言ってしまったのだし、具体的にこれが、というものは無い。
 あえて言うなら、何だろう?
 
 「あ、そうだ鳩ちゃん!鳩ちゃんの……何だろう、何か訊きたい!」
 「本当にあいつは愛されてますねぇ……。僕と同じ立場で同じ仕事してるのにこの差は不公平ですよ。マジでー。」
 「だって可愛いんだもん鳩ちゃん。守ってあげたい感じ。」
 「彩では守られるのが関の山でしょうけどねー♪」
 
 まったく、男は本当に女には全く勝てませんなぁ、そう苦笑した次郎の背後から鳩の声がした。
 
 「主。饂飩が。」
 「あ?はいはい。」
 「吹き零れています。」
 「何で進行形だーーーー!」
 「うわ、打ち下ろしの右(チョッピングライト)初めて見た!」
 「上背がありますからね、あれは効きますわよ。 てか今筧様刻印浮かんでませんか?」
 「あ、何と打ち返した!次郎さんの体浮いたよ!うわあ空中コンボ!初めて見たよ!すげー!鳩ちゃんすげー!」
 「いいから早くガスを止めましょうよ。」
 「こんなDVな有様も。」
 「遠慮なくお見せしようということなのです……。」
 「わかりましたから早くガス止めましょうよ、シュンシュン言ってますわよシュンシュン。」
 
 
 そんなん。」
広告

kiwivege について

nothing
カテゴリー: アクスディア EXceed パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中