恋する乙女のキッスを

 「えへ。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 ぱとりあんな・ケイジ♀の依頼が返って参りました……プレイングはこちら
 
 ハイライト。
 
「逃げる方向を進行方向に、後は守りながら突っ切るべきでしょう」
 Aが剣を構えるのと同時に叫ぶ。Mもはじめての実戦に、鼓動が凄まじい勢いで耳元に聞こえるほど緊張する。
「‥‥初めての戦闘だけど、持ち前の運動神経で乗り切ってみせるわ!」
 剣を持つ手が、どうしようもない位、震える。
 頭ではわかっていても、いざ本番となると熟練の冒険者でも体が勝手に動いてくれるまではぎこちなくなってしまうのは当然だろう。初心者であれば、緊張しないほうがおかしい。
 パトリアンナもカロもそれがわかっているから、この微妙な数を相手にどう立ち回るかを、いくつもの戦いの中から得た経験で学んでいた。
「根絶やしに出来ねえと聞いてる。ならば! おとなしく引きこもって木の実食って生きるよう、調教してやらあ!」
 二人は先ず逃走経路を確保する為、進行方向‥‥つまりリザベ側に溜まっているゴブリンたちをひとまとめに、一気に活路を開く方法を取る。
「乙女の恋路を邪魔する輩は、馬の蹴たぐり地獄行きじゃ!」
 カロ以外は一度馬から降り、カロが先陣をきってゴブリンたちを戦闘馬とともにかき回す!
 乱れた隊列を突っ切るのは戦略としては実に簡単な事だ。数こそ多いが、一瞬のスキを突けば突破口をこじ開ける事が出来る。
 多少強引でも数体なぎ倒してしまえば、確実なアドバンテージを得る事が出来る訳だ。囲むように襲い掛かってきたゴブリンたちのうち、二体が見事に馬に轢かれ、横道に吹っ飛んでいった!
 パトリアンナもそのスキをつくように前方のゴブリン一体の目をカウンターで突き、更にもう一体の背後に回りこむと両腕で掴みかかりそのまま引き抜くように投げ飛ばす! スープレックスだ!
 吹き飛ばされたゴブリンは仲間のゴブリンに直撃し、仲間ともども気絶してしまう。
 道中、スープレックスの美しさというものを延々説かれていたAはその『本物』を見て、一瞬唖然としていたが。
 
 
 
 スープレックスは美しい。
 
 
 なんとか受け流しする事に成功した都古嶋の目には、カロが切り開いた活路が映っていた。
「このまま突っ切ってしまおう! カレアさんを行かせてあげて!」
「早駆けできないあたしは足手まといだ、置いて行け! なぁに、格の違いを見せ付けてやるさ」
 パトリアンナ、A、Mの三人がこの場を何とかしのぎ、カレアを先に行かせる作戦に切り替えた。
 Kはカレアに同行し、安全が確保されればすぐに戻る事を約束する。
「雑魚相手にビビるんじゃないよ? お前さんがただって、やりゃあ出来るってもんさ!」
 AとMの初戦をサポートするように立ち回るパトリアンナ。
 ――残りは三体。形勢不利とあらばゴブリンたちは逃げ出しそうなものだが、なかなかしつこい。金目のものを奪わないと帰れない事情でもあるのだろうか?
 ともかく三体は必死に三人に襲い掛かる! なんとかそれを退け、全滅させる事に成功した‥‥。
 
 
 Kって言うかカロさんありがとう。貴族万能って偉大ですね。
 
「ダインス!」
 もっと、色んな事を言いたかった。けれど、その顔を見た瞬間、それ以外の言葉が出てこなかった。
 だが彼にとってはそのたった一言に、唯一求めるものを感じていた。
「カレア!」
 すぐそばにいた婚約者の娘は、ぼろぼろになって傷だらけでダインスの名を叫ぶ少女を見て直感する。
 そして今にもカレアに駆け寄ろうとするダインスを引き止めると、その頬にくちづけして耳元で囁いた。
「最初から、あんたの事なんか好きじゃなかったのよ」
 そう言うと、美しい花嫁衣裳に身を包んだ女性は、思い切りダインスの頬に拳をぶち込んだ!
 騒然とする結婚式会場。呆気にとられたのは、互いの両親だった。
「バカ‥‥行ってやりなさいよ、あの子のところに!」
 ダインスは肯くと少女のもとへ走り出した。
「あーあ、玉の輿が台無しだわよ‥‥」
 婚約者の娘の瞳から、大粒の涙がぼろぼろと零れる。その涙は、悔しさか、悲しさか、或いはその拳の痛みからか。
 それとも。

 その後――。
 ダインスとカレアは一度は駆け落ち同然で飛び出していったが、冒険者たちのアフターケアも手伝ってか何とか正式に結婚することを認められたらしい。

 
 報われちゃいました。すげえな愛の力。
 
 あと婚約者さんがかっこよすぎです。結婚してください(もっといい男と)。
 
 あと同行したアンドレア・サイフォス様は一体何者なのでしょうか……。酒場の発言からしても、絶対素人じゃないのですが……。
 
 追記:なんとなく、 わかった気がする。」
 
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