貴方のように生きていく

 
 邪眼は月輪に飛ぶ トリビュート。
 
 
 パティ・ガントレットお姉さんと、友峨谷・涼香お姉ちゃん(不老)との最終決戦妄想。
 
 どうぞ。
 
 「月が綺麗やなー。」
 
 わざとらしくすら聞こえる台詞。
 言葉を受けて上天に光る丸くて小さな満月の夜。
 それを見上げる女。
 輝く青い髪は短くそろい、茶色い瞳に、健康的な小麦色の肌。
 居酒屋『涼屋』は本日は休業。こんなに月が綺麗な平日やし、ということで、彼女にしては珍しく、居酒屋の親父に掛け合って臨時に休業にしてもらった。
 月見をしながら、ビール缶を手に取る。
 何度も手にとってはおく。何故かプルタブすら空いていない。
 
 こんなに月が金色で。
 
 真夜中が青くそまる夜は。
 
 ヒィ、という背後の風切音を見もせずに、『紅蓮』を抜いた。弾き飛ばされる感触。弾き飛ばす感触。
 
 「やっぱりねえ。」
 「悟られていましたか。」
 
 友峨谷・涼香着地して
 
 「店が休みでしたから、もしやとは思いましたが。」
 
 眼の前に立つ女を見る。
 その女、齢は30前辺り、銀色のツーテールを長くなびかせ、瞳は青。肌は陶磁器のように白く。両手は銀の篭手に覆われ、右手には先ほど涼香を襲った刀を携えている。
 まとった黒い服には幾百もの目玉が開いていた。
 その名はパティ・ガントレット。東京のとある暴力組織の長である。
 
 「紅蓮!」
 
 叫びに呼応して涼香の刀が燃え盛る。一瞬で理解した。戯れとは違う。一瞬で。確実に。完全にうちを殺しに来た!
 
 「唸れっ!『スミヤカニサリテトドコオルコトナカレ』(急々如律令)!」
 
 紅蓮の炎であたりに迫る呪を無理やり叩き割り、雷光の符で相手の眼を潰す。
 パティ・ガントレット、またの名を『アイスブルーの瞳』。死神とも呼ばれるほどの強力な呪いを、その目で見つめるだけで発動させられる、現代のメデューサ。彼女は通常その性質から、余計な警戒を招かぬように眼を閉じたまま行動している。何度かやった『戯れ』の戦いでさえ、彼女はそのほとんどの時間を眼を閉じて対応していた。
 
 今は、初めから開いている。加えて最初の不意討ち。
 今までとは違う。今目の前にいるのは、退魔たる自分が絶対に許してはならない、魔物だ。
 
 だから。
 
 「!!!」
 
 パティの顔が歪むのが見えた。雷光を両手の篭手で防ぎながらも、口から吐息が漏れるのがわかる。
 
 彼女の右脚が、完全に『捻じ切れて』いた。
 
 「出し惜しみなんぞせえへんぞ。」
 
 涼香の茶色い瞳は、いつの間にか金の魔眼に変わっていた。曲げるもの。凶るもの。禍るもの。あらゆるものに螺旋の祝福を与える魔の瞳。
 まずは、機動力をそぎ落とした。
 残したもう一本の脚が地を蹴る音。土煙は上方に噴き、涼香は迷わず月を見据えた。
 銀の影。輝く瑠璃色の瞳。ツーテールが翼を為し、銀の猛禽となり彼女を捕らえた。
 
 「おおおおおおおおおお!!!!」
 
 涼香が吼える。あの眼。あの眼は。あの眼だけは許してはあかん!
 
 まがれ、マガれ、マガレマガレマガレマガレMAGAREMAGAREMAGARエエエエエエMMMAAAAGGGGARRRRRRRR
 押さえ込まれている。青い瞳が覗き込む。瑠璃の瞳が脳をつかむ。
 
 「あああああ!!」
 
 眼から血が滴る。それでも開眼をやめない。
 涼香の眼がガントレットの目に、呪に。蒼く透き通った『死』に握られる。
 涼香の両の眼はあらぬ方向に捩れ、千切れそうになる。
 
 「たっ!」
 
 投げつけたのは『紅蓮』。容易くパティの刀に弾かれる、が。
 
 「咲けっ!」
 
 火炎が、ほとばしった。
 
 
 
 
 
 パティの肉体を炎が焼く。
 
 「くう。」
 
 口から息が漏れる。魂まで焼き尽くす聖なる炎。服が焼け焦げ肌に絡む。皮膚が焦げ付き嫌なにおいがする。
 それに、
 
 「……しまった。」
 
 『シ』界が。炎で閉ざされていく。
 
 
 
 
 
 
 「こっちからはよう見えるで。」
 
 盛る炎の逆光に、黒い影が見えた。もはや青い瞳の光も炎の中。
 
――――あんたは、自分が死神やというたな。自分が呪わしいと。
――――自分さえ生きていてはいけない。そう思っとったんやろ。
――――殺さなければ生きていけん。生きてることにならん。
――――死神なんぞ、哀れなお人形さんやで。自分が生きることも許されへん。
――――あたしは、殺して死に抜くことより、生かすことで生き抜くことを選んだ『人間』や。
――――せやから。
 
 「キサマの負けや。死神。」
 
 最大の禍りで、その影をへし折った。
 
 地面に落ちたパティの肉体。パリン、と硝子球の割れるような音がして、その瑠璃色の瞳が砕けると、彼女の体は闇色に染まり、やがてどろどろと溶けて、気化して消えた。
 
 「やっぱり、眼が本体やったか。」
 
 心臓でも脳でもなく。
 パティ・ガントレットをパティ・ガントレットたらしめていた唯一の生命機関は、その二組の瑠璃だった。
 弔ってやろうかとも思ったが、宝石はもはや粉々に砕けて地面に散るばかりだったから、せめてと彼女の仕込み刀を其処に刺して合掌した。
 
 以上。
 
 
 あと、青田ぱとす のリプレイ報告です……。
 
 プレイングはこちら……。
 
 どうせストーリーも何も話し合っていないし、MSのアドリブ劇場になるのが眼に見えていたので、あえてセリフプレイングは最小限に抑え、キャラの作成のみとしました。
 
 極楽寺MSのアドリブ能力はかなり信頼できるレベルですので……。
 
 ハイライト。
 
 因幡が呼びかけると、はーいってな具合でビューリホ☆サンセット笹川に扮する白いガーゼ地の海女衣装を着た青田ぱとす(fa0182)が、でっかい盥を抱えのしのしとやってきた。
「海の眺めと海産物、ふと足を止めたくなる道の駅『笹川流れ 夕日会館』を早速ご案内いたします。他の地でも様々な海の幸を味うことが出来るけれど、黄昏れと潮風を一緒に堪能できるのはここだけ! ということでそこ行くお兄さん、あたしがとっておきのデートコースを紹介いたしましょう。サンセットブリッジ・ふれあいの渚へ続く道をゆったりと夕日を眺めながら散策した後、浜から夕日会館へ上がり駄目押しにサンセット展望台で粟島の島影が霞む日本海のパノラマと抜群の夕景でロマンチックな気持ちに浸る。そして夕日レストランで一押しの夕日定食に夕日丼、夕日タンタン麺の美味しい食事。追加料理は海女が採ってきた新鮮な岩牡蠣や鮑を出せば、彼女もイチコロですよ!」
 青田のデートスポット解説に合わせVTRが流れだす。映し出された青い海の風景がやや早送りにされ赤い夕日へ移りゆく。確かに彼女の言う通りこれは絶景だ。
 美しい夕日に言葉を失うのもさることながら、カメラにむんっと迫る青田にビビるカメラマン。どうやら彼女は自分が好む明朗快活で押しの強いおばちゃん役になりきりっているよう。

 
 ごめんなさい、アドリブに頼りすぎました。
 
 とくに、どうやら彼女は自分が好む明朗快活で押しの強いおばちゃん役になりきりっているよう。のあたり。
 
 これは設定なのですが、逆に言うとそのぐらいしか拾うところがなかったとも言います。
 
 これは大反省点……。」
 
 
 
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