蝙蝠

 
 
 
 「なかなかよかったわ、ヘタレちゃん♪」
 「ヘタレは、凹むなあ。」
 
 ベッドに横たわりにこっと笑うミカエラに、森里時雨は苦笑を返す元気も無い。
 どちらかといえば、「とって食われた」、という表現のほうが正しい。いや、気持ちよかった、けどさ。
 
 「……中国でのこと、まだ気にしてる?」
 「まあ、そりゃ。」
 
 華清湖の底を殴り抜いた挙句、その中には封じられていた未知のバケモノが眠っていて、復旧の目処すら立っていない。
 齢20にも至らぬタレントの身には、やはり重すぎる枷だ。
 
 「感謝はしてるヨ。」
 「何でっすか。」
 「あんなゴミどもを知らないまま死ぬことになっていたんだもの♪」
 
 森里が見た目は、もう肉食獣のそれになっていた。
 
 「……。」
 「同じ立場なら、きっと割り切りなんかしないけど、ネ。」
 
 ミカエラが、フォローにもならないフォローをする。
 
 「抱えて生きていったら?」
 「そのつもりです。」
 「でも、本当はどこかでなかったことにしたいと思ってるんでしょ?」
 「そんなことは、」
 「何も起こる前に戻したかったと。」
 「……。」
 「呼んで。」
 
 ミカエラが、バッグから名刺を投げてよこした。
 
 「迷惑じゃないっすか?」
 「ワタシの生きがいわね、勝利することなの。敵がいないと、生きていけないのヨ。」
 「そんな風に、割り切れたら、いいっすよ。」
 「だからイッテルじゃない、ワタシだって同じ立場だったら割り切りなんかしない。」
 
 ミカエラの緑色の目が、ベッドに腰掛ける森里を見上げた。
 
 「イライラを思う存分、敵にぶつけてやるワ。」
 「さすが年季が違うっすね。」
 「年のこと口に出したら絞め殺すわよ?」
 「俊敏脚速でにげなきゃ!」
 
 ふ、ふふ。
 あはははははは、
 
 「じゃ、スケジュール空いてたら、よろしくです。」
 「こちらこそ、スケジュール空いてたらいつでも此処に来ていいから。」
 「えー、俺の甘くてすっぱい青春はどこにー!」
 「んなものはねえ。」
 「ネエだと!」
 
 あっはははははは!
 
 ラテン系の笑い声が、マンションの寝室に響いた。
 
 
 ごめんね。
 
 あと、http://www.nicovideo.jp/watch/1180273315 をnicotoolLITEでは落とせなかったのでSNS登録。無事ダウソ完了……。
 
 
 妄想シルバーレイン
 
 Fallen Icon
 
 まさか。
 その黒いケダモノがそれの正体だとは知りもしなかったから。
 まさか。
 その白い服を着てケダモノの手綱を引いているのが真の姿とは思いもしなかったから。
 
 彼らは、『それら』に幻滅し、『それら』は、彼らの落胆を感じて自嘲した。
 
 「終わった、か……。」
 
 倒れた『それら』は闇にとけ、闇に消え、後に銀の結晶を残した。
 
 おめでとう、銀誓館学院の生徒たち。君たちの活躍により、二個の殺人鬼が退治された。
 
 おめでとう。おめでとう。
 
 教師たちは笑顔でいたが、一部の生徒は、浮かぬ顔をしていた。
 
 彼らは。筧次郎と筧小鳩は。超人なだけだと思っていた。
 人間に似た思考を持ち。人間を理解し。人間の敵であると信じていた。
 同じ人間の形をしているからこそ認めてはならぬ宿敵であると信じていた。
 犯罪者を許さぬ官憲のように正義を振りかざし。
 不徳を許さぬ聖者のように倫理を心に携えて。
 
 だから。
 『それ』の腹が膨れ角と毛を生やし巨大化し、瘴気を振りまきながら巨大化したときは、恐ろしく感じるとともに幻滅してしまったのだ。
 『あれ』の服が真っ白のドレスに変わり、見つめられた全てのものの『希望』を引き出す魔眼の主となったとき、おぞましく感じるとともに絶望してしまったのだ。
 
 『それら』は確かに彼らの語る通り、人間の形をしたバケモノなだけだったのだ。
 倫理の無い人間ではない。理性の無い人間でもない。ただの獣。魔。
 
 彼らを相手にしていたものは、だから、彼の語らいの全てが、なんら深い意味を持たないことに心底幻滅したのだ。
 彼らを相手にしていたものは、だから、彼らが、ボスや頭領や集合体でなく、ただの二個の殺人鬼にすぎないことを知っていたから、打倒することがなんら事態の解決につながらないことに心底気を殺がれたのだ。
 
 哲学を持っていると思っていた。
 話ができると思っていた。
 
 違う。違う。違う。それらは。ただ。人間を、別の生き物としてみていただけだった。
 彼を。彼女を打倒することに意味を見出そうとしていた全ては裏切られた。
 
 特別な敵ではない。ただ強大なバケモノというだけ。
 魔の王などではない。ただ強大なマモノというだけ。
 
 
 だから、悪鬼月・次郎と白い闇・鳩を知ったとき。
 そんなものが彼らの正体であると知ったときに。
 
 倫理を以って立つべきと信じていた全ては、裏切られて、しまった。
 
 続きは明日。
 
 ネタが無いので延期。
 
 ネタはありませんが。
 
 亡國覚醒カタルシス = 主(あるじ)様
 阿修羅姫       = 鳩
 
 黒春香超偉大。映像があるって素敵です。
 
 
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