えー、もっとこう、フェイスレス指令(髭の頃)がツーテールみたいな、ありえなさが欲しかったのにー。

 「こんばんは、鳩です。
 
これは『シルバーレイン』の作品として、株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。イラストの使用権は作品を発注したお客様に、著作権は凄蜂絵師様に、全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。 
 
 
 
 
 なお、最終的に確定した発注内容は以下の通りです。
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 キャラクター   :丘・敬次郎(b25240)
 商品名      :バストアップ
 料金       :★2.5個
 サイズ      :横270×縦360ピクセル
 完成予定日    :2007年6月20日
 セキュリティレベル:シルバーレイン
 発注文章     :よろしくお願いします。
抑えてほしいポイント:女装にあらず、髪が長いだけで、首からしたは男っぽい。
/イメージカラーは紫
/髪型:トゥルントゥルンの長いツーテール。
/服:ラフに着たワイシャツ。それ以外は『お任せします!』
/アクセ:指貫の皮手袋。手にぴったりフィットの、ドライバーグローブのようなもの。
/詠唱兵器:一本の鋼の糸。左手の回転動力炉(位置や形状はお任せします)から、右手の、掌の部分にまきつけて持っており、自分の手を切らないようにしています。手を切らないように手袋でガードしているのです。
/ピエロのようにおどけたおじぎ、顔は上に上げ、ベロっと下を出しています。
 
 
 ベロっと、ではなく、ベェロロリリリリとしておけばよかったな……。
 
 困りましたよ、可愛いは正義ですもの……。女装が似合うキャラは現実味がないという理由で、あんまり操りたくないのですが、ツーテールの時点で有る程度危惧はしていたのでしょうがありませんか……。
 
 てか、こんな無名キャラにあっというまにかわいい票が50も入っててびっくりした。渋い票の人は、多分ですが、知り合いですね?
 
 
 
 銀誓館学院のプールで、夜泳ぐ影があった。
 別段珍しいことでもない、ここは超人の学園なのだ。何しろこのプールの底を一枚はがせば、その下には数千人が悠々と命を削りあえる、歪んだ空間の闘技場が存在するのだから。
 その影がザバりと派手な音を立てて梯子を上り、長い黒髪がその肌に張り付いた。
 
 「……切るかなぁ。」
 
 髪をいじるその人、丘・敬次郎は14歳の男の子である。水着はきちんと、黒のビキニパンツ。少しばかり頼りがいのありそうな胸板と、とてつもなく似合わないツーテールの髪が悪い意味で印象的だ。
 カツン!
 急に靴音が近くで鳴って、丘は振り返った。
 “急”に、だ。その地点まで歩いてきた足音は、一つたりとも聞こえていなかった。
 
 「……おじさん。」
 「どうも♪壮健なようで。」
 
 近いと思ったのは、プールに反響していたせいらしい。振り返ってみた先は、水を挟んだ向かい側だった。立っているのは白い服を着た、背の高い、男。
 
 「どうやって入ってきたんです?」
 「歩いて。」
 
 歩いて、ですか。
 丘は苦笑すると、行き場のない手を、ただひらひらとさせた。
 
 「あー、お久しぶり、です?」
 「そうですねえ。」
 「今日はまた、何の用で。」
 「別に?甥の育ちっぷりを見に来た、とでも言いましょうか。」
 「甥ではないですよ。」
 「おじさんと言ったではありませんか。」
 「いや……まあいいですけど。」
 
 男はニコニコしている。
 どうやら、本当に何の用もなさそうだ。
 
 「時に少年。欲望は解放していますか?」
 「おかげさまで。鳩様はお元気で?」
 「残念ながら、まだ生きています。」
 「それはよかった。」
 
 プールに響く言葉は、酷く無意味で空っぽだった。
 丘は、手をこねるように動かすと、その中に水でできた手裏剣を作り上げた。
 
 「ちょうどいいや、稽古つけてくださいよ。」
 「そういえば水練忍者でしたね?」
 「文字通り、水練をしていたところなんです。」
 「では、お邪魔した僕が、受けてたつのが筋ですね?」
 「どうぞ、お受け取りくださいっ!」
 
 スイングした手から、透明な刃が飛ぶ。瞬く間に男の胸に食らいつき、彼の体を倒した。
 
 「ふむ。」
 
 胸から血を流しながらも、男はすっくと立ち上がる。
 
 「なるほど、奥義ですね。」
 「一応。……まあ、効いてなさそうですけど。」
 「こういう、何ですか、超能力は地力が物を言いますからね?でも、技術もおろそかにしてはいけない。これはなかなかよかったですよ?より鋭く、より速く、より強靭に、より正確に。基本に忠実な、水刃手裏剣です。」
 「それはどうも、ありがとうございます。」
 「では、こちらの番ですね、防御の構えを取ってください。」
 
 一瞬だけ、男が目を見開いて彼の目を見た。それだけで丘は全てを悟って両手を交差させた。
 
 「行きますよ?」
 
 痛みの後に音が来た。
 確か男は手をしたから上に振った。
 丘がその場に崩れ落ちる。腹から血を出しながら、激しく咳き込む。
 
 「……ひっ…………でえ……。」
 「防御しろと言いましたのに♪」
 
 違う。違う!丘が脳内で叫ぶ。
 酷いのは、「最大限に防御してこの威力」と言う事実だ。真正面から来た『ソレ』を、丘は自分の持てる最大の防御で確かに受け止めたのだ。これ以上はないと言えるほどのタイミングと強度でうけとめて、「これ」。
 それが酷くなければ何が酷いと言えるのか。
 
 「これが……手裏剣ですか……。」
 
 丘がぼやく。男は、手裏剣を投げてすらいない。プールの水を立ち上げてそのまま刃にして叩き込んだのだ。
 
 「奥義ですからね。より速く、より強く、より正確に♪ただ、それだけです。」
 「……。」
 
 数学の授業で、何かしらの定義を聞かされているような気分だった。
 水の刃を以って遠距離の敵を攻撃できれば、それは水刃手裏剣なのだ、たとえその形状がどうであろうとも。
 開き直りにも近い、しかしなんとも効率的な一撃に、丘は血を流しながら苦笑するしかなかった。
 
 「まだまだ未熟ですね。鳩が何故あなたをここに送り込んだのか、さっぱり意図がわかりません。」
 「……『親方様』は……。」
 「ああ、黙っているがよろしい、内臓に響きます。何らかの戯れでしょう、あまり気にしないようにしますしあなたも気にしないように♪」
 「……。」
 
 では、さようなら。
 男の足音が通り過ぎていく。丘はゆっくりと目を閉じて、『親方様』の銀色のツーテールを、まぶたの裏に思い描いた。
 
 
 以上。」
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