あとは全てくだらないものか?

 「祝福も 呪詛も どちらも差し上げたいくらいいとしいのに。これほどまでに交わりもない。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 今携わっているどんなゲームよりきうい神は妄想シルバーレインで筧次郎を動かすのが図抜けて一番楽しいという歪みっぷりにやっと気づきました。
 
 それは、ゲームに身が入らなくて当然です……。
 
 ゲーム用のMSNスペースとして、ひいては、鳩やきうい創造神様の、ゲームプレイヤーとしての態度を見つめなおす為、暫し活動停滞中です……。
 
 
 
 
 一番楽しいものは、他人との交流であるべきなのに。
 
 
 世は並べて事も無し
 
 銀誓館学院の屋上は、昼でもサボリの学生が何人もたむろしている。
 けれど、流石に夜は静かだ。中学3年、丘・敬次郎は座って星空を眺めていた。
 夜空は完全な暗黒には程遠い。日はとっくに沈みきっているのに、東の空には焼け付いたような橙色が滲んでいて、西の空には星が輝いている。
 
 「随分とオセンチじゃねえか?」
 
 屋上の扉が開く音は聞こえたが、無視していた。声が聞こえて、初めて丘は顔を向けた。
 
 「植松さん。」
 
 植松さん、と呼ばれた男は、黒い背広に身を包み、首に白いショールを纏っていた。
 植松・宗撰。筧次郎と同世代の『別格存在』の一人。
 
 「隣いいかい?」
 
 座り込んでタバコをくわえた植松に、火のついたジッポを差し出す。
 
 「気が利くね。ってか、お前もタバコやってんのか?」
 「いえ、仕事で使うんで。」
 「ああ、そう。」
 
 宗撰は深く煙を吸い込んで、ため息のように長い息を吐いた。
 
 「お前、本当の名前は?」
 「……。」
 
 丘は黙り込んだ。
 この男は知っている。丘敬次郎という名前が、単に記号に過ぎないことに。『筧次郎』をしっているのだから、自分の名前がそこから来ているとわかっていて当然だ。当然だが、自分の口から認めてしまっていいものか?
 
 「やっぱりお前は未熟もんだな。ジロさんならためらわず答えるぜ。」
 「……本当の名前じゃありませんけど、本当の名前なんて忘れましたし、覚えていても教えるわけにはいきませんね。」
 
 丘がそういうと、宗撰のショールが蠢き彼の首を締め上げ、刃と化した鎌首をもたげた。
 
 「こうやって脅されてもか?」
 「ちっとも怖くないですね。」
 「ほう。」
 「僕が死んだらソレまでです。また別の丘敬次郎がここに来るだけ。」
 「……へえ。」
 「何より。」
 
 何よりも。
 丘が忍者刀を抜いた。
 
 「うちの首領はこんなものより遥かに怖い。」
 
 抜いた刀は腕ごと押さえつけられたが、丘は笑顔のまま。
 
 「こんなもの、はっ……気にくわねえな。」
 「手合わせしたときには大抵骨折か内臓破裂がついてくるんですよ。
  『死んでも代わりはいますからこちらは困りませんけど、あなたの人生は終わってしまうので困りますよね?』
  って、言われたときは背筋凍りました。生きる努力はしてもいいけど、生きて無くてもいいよ、って。」
 「鳩か。」
 「やっぱり仲がいいのは本当だったんですね。小鳩様を鳩と呼ぶのは、ごくごく一部の人だけです。」
 「ジロさんとは付き合い長いからねえ。」
 
 ショールがただの布に戻っていく。丘はほっとため息をついて、いつものニヤニヤ笑いを取り戻した。
 
 「何百年くらいですか?」
 「おいおい、あいつも俺もそんな伝説のバケモンじゃねえよ。」
 「え?」
 「え?って。」
 
 ……。
 
 「……植松さんが筧次郎とであったのはいつ頃ですか?」
 「2003年ぐらい。ちょっとでかいヤマがあってね。」
 「そうですか。」
 「そう。」
 
 ……。
 
 「筧次郎が、数百年を生きたバケモノだって言ったら信じます?」
 「あの胡散臭さじゃ納得しちまいかねないが、正直言って信じる気にはならんね。」
 「それは、やっぱりニンゲンであってほしいから?次郎に。」
 「お前なんで呼び捨てるんだよ。」
 「僕にとっては首領は鳩様であって、次郎ではないんで。」
 「あそ。そういうカタブツで偏屈で敬意の払い方が歪んでるところはジロさんにそっくりだけど。」
 
 宗撰が二本目のタバコに火をつけた。
 
 「お褒めの言葉と受け取っておきましょう。」
 「しかし、『オカケイジロウ』ねえ。私の代わりはいくらでもいる、って感じか。」
 「名前を継いだものにはツーテールの髪型にすることが義務付けられているそうです。」
 「義務かよ。趣味じゃネエのカよ。」
 「半分は趣味です。」
 
 そういって丘は、ニコっと笑う。
 
 「……やっぱ似てるな。」
 「次郎と?」
 「ん。」
 「次郎は好きな女の子片っ端からさらって殺したりしたんですか?」
 「……おい。」
 「肉を切るの、好きだったんですか?あの食い込む柔らかい感触、噴出す血のにおい。あれが好きだったんですかねえ。」
 「おい。」
 「はい?」
 「……いや。帰るわ。」
 「おやすみなさい。警備員に気をつけて。」
 
 植松は背中を向けたまま手をひらひらと振った。
 
 「あー、一つだけ聞く。おまえ、変態って自覚はある?」
 「『普通の人は肉を切ったって何も感じない』。そのぐらいわかってますよ。解体願望も刃物に対する愛着も何も無い。それが普通で、僕が異端だ。
  やめるつもりありませんけどね。」
 「なるほど。お前は確かに『カケイジロウ』だよ。」
 「最大の侮辱として受け取っておきますね♪」
 「せいぜい気張れよ、次郎は、なんだかんだ言ってそういう異端を許さない奴だから。」
 「わかってます。」
 「……じゃ。」
 「では。」
 
 屋上のドアは閉められて。丘を見つめているのはもはや鎌倉の星空のみ。
 世の中にはあの星々のような数のゴーストがいて、
 それらは全て理不尽で。
 世の中には社会の常識にそぐわない犯罪者がたくさん居て、
 それらは全て隔離抹殺されるべき存在で。
 世の中には愛しい人間がたくさん居て、
 それらは全てこの俺の手で殺されるべき存在で。
 
 「ふふふふふふ……。」
 
 何てすばらしい。この俗世は何てステキなのだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 追記:ニコ動画SNSの方でもかきましたけど。
 
 
 
 こいつは凄いぜ……。
 
 以上。」
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