そのようにしてあげる。

 「あっぱれスーパーガール。
 
 
 衣装の合成、ダンスのシンクロ、口パク。およそツッコミが入りそうな部分全てをクリアしているパーフェクトな動画。無駄も無理もなく見ていて気持ちがいいです。
 
 凄すぎて、「むしろアイドルマスター本体って楽しいのかと思えてくる」というコメントがあるほど。
 
 高美希沢先生のエアギターソロと桜井真様の熱唱ぶりは、是非コメント非表示で見ていただきたい。
 
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン
 
 シルバーバレットの願い
 
 「……まだ、まだだ……。」
 
 植松・弾は立ち上がる。
 もう何度目の凌駕かしれない。目に入った血を擦り取るのも億劫なほど、体が重い。
 
 「『強い』ですね。起き上がれるということは、それだけで、強いと言うことです。
  いらっしゃい。」
 
 筧次郎は、もう何度目か知れない構えをとった。
 
 「牙無き人の、防人に……。」
 
 誓い呟き噛み締めて、回転動力炉をまわす。できることはひとつだけ。ありったけを叩きつける。
 植松・弾が地を蹴る。武器を振り上げ、最大の勢いのついた一撃を。
 
 「折れろ。」
 
 ここで折れてしまえ、お前の心。
 突撃する少年の手元と首に、蛇のような攻撃が這った。
 
―――――――――――――
 
 「言っておきますけどね。あなたの親父さんは、さっきの僕よりもっと強いですよ?」
 「……。」
 
 仰向けに倒れたままの弾を次郎が見下ろしている。
 
 「まあ、あの人は僕より更に頭脳派ですから、自分で戦うなんてことはそう無いでしょうけど。
  そうするぐらいなら状況作って高見の見物してますよね。」
 「……。」
 「『我々』には、義務がある。この力を持って生まれた以上は。
  んじゃ、適当に休んで帰ってくださいな。」
 
 鎌倉郊外の草原を、男が去っていく。少年には起き上がる力も無い。悔しさに拳を握ったが、そこまでだった。
 

―――――――――――――

 
 「稽古ですって?」
 「丘、あまり頻繁に里に戻ってくるのは感心しません。」
 
 ツーテールの男子、丘・敬次郎は、同じくツーテールにして銀髪の少女、忍者の里『瑠璃』の首領、筧・小鳩と座敷にて対面していた。
 
 「……僕ではなく、意思を継ぐものでもないのに、何故です。何故そんな生徒をわざわざ鍛えるのですか。」
 
 ひざまずきつつも、見上げる丘の目には必死さが宿っている。
 
 「誰でもよいのです。ただ、今の能力者は、『まだ弱すぎる』。
  ゴーストも。」
 
 小鳩の声は、あくまで静かだ。
 
 「……ゴーストも?」
 「是非はどうあれ、我々は一般人にない力を持って生まれてきました。
  受け入れる受け入れざるに関わらず、それらしい生き方が必要です。そうあるべき。」
 「『バケモノは、バケモノらしく』?」
 「……端的に言えば。
  もっと具体的に言うならば、ゴーストと戦える能力を持っている者は、ゴーストと戦うべきです。なぜならそれは、他の者にはできないから。
  警察に所属している以上は犯罪者と戦わなければならないし、逃げることは許されない。銃と、訓練された肉体を所持しているのだから。
  そういうことです。」
 
 丘は、俯き暫し考え込んだ後、遠慮がちに言う。
 
 「……全ての能力者に、ゴーストと戦う手段を叩き込むつもりで?
  ふさわしい生き方をさせるために。」
 「『全ての』、というのは現実的ではありません。
  だから、旗印になるような強さを持つものが少数でも存在すればよい。そこを目指して、より多数が強くなろうとする。
  ……ただ、それにはまだゴーストが弱すぎる。今の強さのままで十分対処できてしまう、『それは困る』。」
 「……。」
 「『我々の』目的は。
  シルバーレインそのものの完全制圧です。
  兵隊も弱い、数も強さもたりない。強さの上限が低い。そして、認知と自覚が甘い。
  もっと強力なクライシスが必要なのです。」
 「……恐れながら、テロリストの勝手な言い分に似ていると感じます。」
 「そうです。忍者は工作員だ。テロリストです。狂信者でもある。
  カルトであり、支持を得られにくい主張者であります。
  ……だが、ほかに手段はありますか?
  能力者に自分のあるべき場所を、押し付けではなく自覚させ、
  そして、最終的に全て消し去りなくす為に。」
 「……。」
 「……今という時はどうにもハンパに過ぎる。
  一般の人間が危機を感じ全力でその文明を叩き込み制圧を試みる、ほどには危険ではなく、
  しかし、能力者が自分の能力に気づくことすらなく一生を終える、ほどには安全ではない。」
 「一つ質問。」
 「はい。」
 「より安全にする方向でのアプローチは考えなかったのですか?」
 「それは最終的に、『世界結界を張りなおす』というところに帰着します。
  世界結界を張りなおさない限り、もぐらたたきの終わる目処は立たない。これ以上安全になることも、これ以上危険になることも、予測がつかない。
  しかしそれは無理だ。技術が失われてしまったのですから。
  そも、世界結界を張り直す技術があるなら、今頃銀誓館は廃校です。」
 
 だから、能力者もゴーストもより強力な勢力となって、派手に殺し合い、巨大な被害を双方に与え合って強烈に縮小する方が目的には近い。
 丘は首領の目を見つめるが、少女の瞳は透き通るようなアイスブルーで表情が読めない。
 次郎の吸い込むような闇とはまた違った意味で、底も濁りも無い瞳。
 
 「……首領。愚かな質問をすることをお許しください。
  僕は、『何になればいい』のですか。」
 「勇気あるものに。」
 「勇気。」
 
 丘は首を振る。
 
 「僕には無理です。」
 「あなたの認識は聞いていない。
  あなたには、『そうなるように』設定をしてある。
  学院への転入も、今までの訓練も、我が主と小鳩のあなたへの扱いも全て。丘・敬次郎を仕立てあげる為の環境です。
  あなたは『我々の望むものになります』。絶対に。」
 
 丘は力なく笑った。
 言い切られたのだ。
 お前は小鳩の手の中にいて、そこから出ることはできないと。
 小鳩が出さないのではなく、丘自身に出て行く能力がないのだと。
 
 「勇気あるものに、なれますか。
  僕は……一人の忍者として、仕事ができればいい。あと、乾かない程度に死体で遊べればいい。そんな志の低い人間です。
  あなたがたがどんなにがんばっても、とても僕は勇者になんかなれないと思いますよ。」
 「一人の忍者で構わないのです。
  あなたは非力で、頭も良くはなく、わがままで生意気でとても主の意志を継げる様な『バケモノ』にはなれない。
  『それでいい、それこそがいい』。
  ……余り資質の説明をさせないでくださいな。あなたが自惚れるのも、困る。」
 
 丘は、また自嘲する。
 
 「タイムトラベルのようですね。
  未来を知ってしまったら、その先の未来を変えられる恐れがある、みたいな。」
 「そうです。」
 「だから僕は知るべきでないと!」
 「そうです。」
 「掌の上で踊っていろと!」
 「踊り切ってください、それこそが。忍の本分のはず。
  それを否定するなら、あなたには資質がない、我々の見当違いだった。そこは、はっきりと申し上げておきます。
  ……胸に問え。首領であるこの小鳩の命令に、背くのか。『背きたい』のか。」
 「……。
  ノン♪マイマスター♪」
 
 丘の顔にいつもの笑顔が戻った。歌うように口が動く。
 
 「お心など聞き及んだ僕の方が、出すぎた真似をしました♪
  僕は、首領に従います。命令の為にのみこの命を使う。『使いたい』。
  首領たちが何を考えているかなど問題ではない、知るべきではない、知って心揺らぐべきではない。
  何であろうと、僕は一人の忍者でありたい。そう心から願う。
  僕はあなたの狗です、鳩様。『そこははっきりと申し上げておきます』♪」
 「……ありがとう。」
 「当然の、ことです♪」
 
 礼を言う少女に、少年が頭を下げて返す。
 
 「……では、その意気の強い内に命令します。
  霊媒師とリリスをつれてきてください。
  無論、殺さずに、無力化はして。」
 「御意。」
 「後で地図を学院の方に送っておきます。その範囲内で探してください。
  くれぐれも学院には見つからないように。
 
  なぜならば、これは、『強力なゴースト』という軍拡の引き金を作り出す実験の一つだからです。」
 「僕らの敵ですか。」
 「近い将来、数万を一体で殺す強力な個体を我々が送り出したとする。
  鳩があなたに『それと戦え』と命じたら、あなたは?」
 「当然、戦います♪」
 
 少年は、ベロリ、と舌を出す。
 
 「よろしい、では行け!」
 「行きます。」
 
 少年は、静かに部屋を出る。
 その姿を、小鳩は微笑みながら見ていた。
 
 お前たちは銀の弾丸。リボルバーに一発ずつの銀の弾丸。
 だから、磨き上げなくては。磨きあがってもらわなくては。
 撃つべき弾丸は、致命的な箇所に一発ずつで十分。
 後は、血流が止まるように。血が噴出すように。命が止まるように。悲鳴があがるように。
 この地上に、災厄と恐れと反発が伝播していく。
 
 「がんばりなさいよ、ゴースト共も。ねえ?ゾンビもリリスも腑抜けばっかりでさ?」
 
 小鳩が声に振り向く。いつの間にか次郎が其処に立っていた。
 
 災厄がハンパだから、殺し合いも技術革新もハンパになる。
 だから、能力者はいつまでたっても自分の立場を自覚できない。隔離されている意味を知れ。修行を施された意味を知れ。その手に余る、人知を超えた力の使い方を知れ。
 既に舞台に乗っているのだ、踊らぬことは許されない、『お前たちは観客ではない』。知れ。
 
 銀弾、ぬるま湯の心臓を打ち彼らに知らせよ。
 銀弾、敵襲の心臓を貫き彼らを奮わせよ。
 銀弾、疲弊の心臓を破り彼らを導け。
 
 全ては、何もかもをつぶしあわせる為に。
 
 「我々が、より良く死ぬために。」
 「全ての理不尽を調伏し、世界を人間のものに返す為に。」
 
 以上。」
広告

kiwivege について

nothing
カテゴリー: シルバーレイン パーマリンク

そのようにしてあげる。 への2件のフィードバック

  1. 貴子 より:

    何時も素敵なアイマスの画像紹介 楽しんでおります~ウェブアドレス分の画像もここ初でしたっけ?(お気に入りの一つなんですけど 何だかすっかり忘れてしまって^^;

  2. きうい より:

    呪文降臨マジカルフォースは初見。逆に紹介してくださってありがとうございますですね。愛あるものに魔力は宿る。
     
    ニコニコ動画好きな人ということでは秋咲神様http://akisaki.blog24.fc2.com/ が時々紹介してくれるものもオススメだったりいたします。
     
    今回紹介したBrave Loveは、きういをALFEEファンに叩き込んだ切欠の曲ということもあって、色々思いいれもあるものだったりします。
    岩男潤子と荘口彰久のスーパーアニメガヒットTOP10の、999映画のCMで桜井様の声に毎週聞きほれていたのもいい思い出。当時中学生か……。
     
     

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中