バラン家

 「お前はパンのみで生きてんだろ?いいよいいよ、余計な知恵つけんな、そのまま生きてろ。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 
 
 幾らなんでもこればっかりじゃあな……ということでテコ入れっつーか……。
 
 
 パパンから手紙が届いた。
 曰く、
 
 「異星人と戦う気はないか?」
 
 何の冗談かと思ったけれど、読み進めてみると、ワタシの芸能界での活動が鈍ってきていること、対ナイトウォーカーの行動も芳しくないこと、そのままではとてもワタシ自身が望むようなグラップラーにはなれないことをつらつらと書いてあった。
 娘の動向をどこまで監視していやがるのかとあきれたが、耳に痛いことでもあったり。
 確かに、最近は雑務ばかりで露出のある仕事は全くしていない。ナイトウォーカー退治も本当にちょっこちょこ。
 最近は意欲が湧かないというか、どうにも気力の減退が激しくてそれどころじゃなかったりするのだけど……。でも、夢を見ることがなくなったのも確かで。
 劇団クリカラドラゴンも、小劇団の地位からしばらく抜け出せそうにないし、隠れ蓑以上の役割はない。
 
 「むぅ。」
 
 V字腹筋をしながら考える。
 獣人として、芸能界の裏で頑張るのは確かに当初の目標ではあった。
 でも一番は、自分自身の手で、ナイトウォーカーという敵を倒すこと。芸能界にいるのは、単にそこしか居場所がないからに過ぎない。
 かと言って、ナイトウォーカーと戦える見込みの無い世界に飛び込んでも、何と言うか……それはそれでちょっと違う……。
 
 即決できないということは、ワタシは多分、もうナイトウォーカーなんて本心ではどうでもいいんだろう。
 天秤にかけてしまうこと自体が、自分の心のあやふやさを証明している。ナイトウォーカー戦の実戦の現場ではワタシよりずっと若い子がワタシよりずっとキャリアを持って戦っているし、ぶっちゃけレベルで水をあけられすぎて、追っかける気にならない。
 
 電話。
 
 「手紙のことだけど。」
 「行くかい?」
 「詳細キボン。」
 「メールで送る。ただ、生活は一変しちゃうよ。戻れなくなるかも。」
 「じゃあなんで勧めたの?」
 「……手紙に書いたとおりだよ。欲望も、適度なところでトレードオフしなきゃ。」
 「そうね。」
 「来れる見込みは?」
 「パパンはやんないの?」
 「……。」
 「……。」
 「その手があったか!」
 「ええええええええええええ!!!!!?」
 「冗談だが。じゃあメール送るから。」
 「ん。」
 
 実は心は決まっていたりする。
 これからの仕事に特に変化がなければ。
 そして、「武器」がワタシの好きなものを選べるのなら。
 
 空をつかみに、行くつもり。
 
 
 ……まあ、リハビリです。以上。」
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