鳩たるもの。

 「沢山の人間が命がけで、一人の子供を助けた。
 
 その子は必死に勉強し、必死に仕事をし、そして30代半ばで自殺した。
 
 自分を生かしてくれた恩人たちの分どころか、社会が自分を生かすために払っている対価にすらこれから先の人生で報いることができないとわかったからだ。
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン
 
 愛し合いたい
 
 「好きな人が出来たんですが。」
 「ふーん。」
 
 ルームメイトは、丘の告白に顔も向けることなく、鼻息で愛想だけを返した。
 
 「ぶっ!と噴出してくれるとおもっていたのですが。」
 「お前、前にも恋わずらいみたいなこと言ってたじゃん。」
 「恋わずらいて。」
 
 胡坐をかいて向かい合う。
 ジュースある?との問いに、冷蔵庫を開け、コップを二つ取り出して丘が応えた。
 
 「また俺の説教が聞きたいのか?ロリコン野郎。」
 「別に?一発ネタのつもりだったんですが。」
 「ネタかよ。」
 「嘘ではないのですがね。」
 
 互いのコップについだサイダーが音を立てる。
 季節はもう秋口で蒸れるほどの暑さは掻き消えていたが、コップから漂う涼しげな気配を貪るように二人はコップを傾ける。
 
 「で?」
 「どうしようかなあって。」
 「告白は?」
 「別に。」
 「また小学生?」
 「はい。」
 「悪びれろ!」
 
 もう一度コップが傾いた。丘が注ぎ足す。
 
 「まあ、20も30も離れちゃいませんから、割と普通だとおもいますが。」
 「そうかあ?俺、一年後輩や先輩ってだけでも付き合うかって言われたらためらうぞ。」
 「50歳と40歳のカップルは普通でしょ?」
 「お前は14だよね?」
 「相手は12です。」
 「……そう聞くと何だか普通だな。
  身長は?」
 「140センチ、ない、ぐらいかな。」
 「あ、お前150センチか。
  あんまり違和感無いな……。」
 「変態性をわざわざ導きだそうとするのはやめてください。」
 
 ルームメイトは後ろにのけぞり、床に手を突っ張って体を支えた。
 
 「んあー。」
 「この胸のトキメキをどうしましょう。」
 「敬語で言われるとトキメいてなさそうだ。」
 「以前言ってた、清濁併せ呑むって奴で、一生このピュアな思いを抱えてドギマギ生きていきましょうか。」
 「お前が言うと嘘臭いなー。」
 「真実は僕の胸の中だけで十分なのです。」
 「じゃあ俺に言うな!」
 
 のけぞった背をそのまま床に転がし、ルームメイトは読みかけていた雑誌を手に取った。
 丘はコップを片付け始める。
 
 「……そうですよね。
  言わなくてもいいことですよね。
  ごめんなさいね、巻き込んじゃって。」
 「別に。」
 「僕だけが彼女を好きでいればいい。
  そのことは誰も知らなくていい。
  知らないでいいんだ。」
 「……お前、自分の悪ーい感情にわざと浸る癖があるよな。」
 「だって楽なんですもの♪良心の呵責の無い、自分ひとりだけの世界って♪」
 「お前みたいな奴が人殺したり強姦したりするんだよ。」
 「あは、酷いな、でも的を射てる。
  確かに、良心の呵責なんぞない僕みたいな奴でなきゃ、人を殺したり無理矢理襲ったりしないでしょうよ。」
 「ああ、お前みたいな。」
 「そう、僕みたいな。」
 「……ゴーストタウン行くか?」
 「いいですね♪
  いちご貴族にしましょうよ♪」
 「俺もむしゃくしゃしてきたよ。」
 「さようでございますか♪」
 「だから、龍撃砲をテメエに叩き込むかもしれんが許せ。」
 「僕神秘弱いんですよ?」
 「一発だけなら誤射かもしれない。」
 「……ぼくもうっかり一発かましちゃった♪
  って言ってみたいもんです♪」
 「いこか。」
 「はいな♪」
 
 
 以上。」
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