【IF Another despair】自身の不在

 
 正義でも悪でもいい。どっちつかずのものであってもいい。気持ちのいい人格で、ありたいものです。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン。
 
 自身の不在
 
――――お屋形様 申し訳ありません
――――僕は つまらないところで死にます
 
 油断はしていなかった。
 ただ、反応できる速度ではなかった。
 
 「……。」
 
 胸から生える刀を一瞥し、背中から貫通する痛みを確認、そうしてから、丘・敬次郎はその刃の持ち主に振り向いた。
 
 「……。」
 
 走る僅かな思考の中で、その顔に合致する記憶はなかった。
 見も知らぬ者に殺されたか。
 走馬灯より早く、丘の脳内には辞世の想いが駆けた。
 
 「……。」
 
 ほぼ本能的に。半ば自動的に。丘は右手を後ろに振った。
 左の袖からナイフを引き出して。
 
――――いない。
 
 姿が消えた。
 ああ、仕方がない。
 こんなにも
 こんなにも実力の違う者が
 いるんだ。
 
 消化管と気管がつながり、空気と血液が空隙を渡る。
 苦痛と窒息の中で、丘は倒れた。
 
 丘の意識は夢見心地のようなものになっていて
 頭に浮かぶのは思考というよりも記憶の断片と思いつきの泡。
 
 自分の前を通りすがっていくその刺客の姿。
 
 さらにその遠景に、見知った女の姿を見た。
 
 
 
 あ、は。
 あの子を止める気か。
 それはダメだ。
 あの子は正義の味方で
 僕は悪の手先だから
 
 お前のようなこそ泥は
 あいつに近づいちゃいけない
 
 お前のような卑怯者は
 俺が殺さなくちゃいけないんだよ。
 
 
 
 丘・敬次郎の血液が
 水刃手裏剣となってそれを両断するまでの間
 刺客には振り返る隙もなかった。
 
――――ああ、下っ端じゃん、こんな奴。
――――何で、刺し違えてんだ、俺。
――――つまんねえな。こんな奴、イドラ・ヒルマの足元にもおよびゃしねえのに。
――――なんで。
 
 意識はそこで途絶え。
 もはや戻ることはなかった。
 
 以上。」
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