納得いかないものを戮する夢を見よう

 「この地球の全ての人間が俺と同じものを好きになり、俺と同じものを嫌いになればいいのに。
 
 そうでなければ、俺と同じ趣味を持たない奴は皆死ねばいいのに。
 
 それすらもダメなら、せめて、俺の好むものを皆嫌い、俺が嫌う全てを皆が愛せばいいのに。
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 「みんなちがって みんないい」の言葉は、一面においては賛同しますが、好悪の情に関しては真っ向反対いたします。
 
 自分が好きなものを嫌う奴なんぞいないほうがいいに決まっています。
 
 譲りようの無い嫌悪感を与えるだけのことなのですから……。
 
 こちらからも、何かを嫌うことで、それを好きでいるだれかに不愉快な思いをさせることになる、ということでもありますし。
 
 
 面倒な生き物ですよね。
 
 
 妄想シルバーレイン
 
 マーチを謳えるように 2
 
 宇宙の始まりの大爆発から。
 全てのものは終わらないビリヤードを続けている。
 星の回遊から、眠る子犬の脳が見る夢まで。
 
 銀の雨が降った後。
 それでもヒトは、この世界に己の意思が在るのを信じている。
 
 「名乗れ。」
 
 問われた青年は、背中を向け一目散に逃げ出した。
 男性らしからぬ彼のツーテールが揺れる。炎が後ろから飛んできて背中を焼いたが、
 ものともせずに逃げ切った。
 
 「……。」
 
 一人残された魔弾遣い。
 死んでも構わぬと撃った炎が、相手にすらもされないとは。 
 苦く納得した顔をマフラーで隠し、外套をはためかせて歩き去った。
 
 
――――――
 
 「ぷは。」
 
 逃げ切った男は考える。
 喉が渇いた。
 背中が熱い。
 逃げ切れたようだ。
 何故逃げたのだろう。
 「名乗れ」と言われたから。 
  名乗りたくなかったから。
 真正面から相対するなんてお断りだったから。
 
 何故そう判断した?
 名乗りたくなくて、
 真正面から相対するのが嫌で、
 逃げ出そうと決心したのは何故だ?
 否、「誰」だ?
 否、「何」だ?
 
 脳だ。
 脳がそう判断した。
 脳の電気信号が僕の心と体をそのようにした。
 
 「名乗れ」という言葉を聴いて、僕の脳の中の電気信号が、逃げるように思考し判断し行動したのだ。
 
 何故?この体を流れる全ての分子原子電子は、あらかじめ運動量を与えられていて、ビリヤードのように動き回っているだけなのに。
 何故、「名乗れ」という音声を聞いて、それらの粒子は僕の体をこのように動かしたのだ?
 「名乗れ」が僕の脳に運動量を与えたなら、奴が「戦おう」と言ったら。別の音声刺激がもたらされたら、別の動きをしたのだろうか?
 それとも、ちょうどあのタイミングで脳に電気刺激が生じるように、偶然体内を粒子が走っていたからか?
  
 違う。
 それは、「俺」だ。
 「俺」の「意思」だ。
 
 俺が積み上げてきた経験。
 俺が積み上げてきた記憶。
 俺が積み上げてきた成長。
 
 そして。
 
 物理を超越する、魂。
 魂だ。
 
 脳に動けと指令を下す。
 肉に生きろと命を与える。
 思い、悩み、判断し、選び、未来を不確定にする。
 魂だ。
 
 僕は。
 僕は。
 
 「オカケイジロウ、だ♪」
 
 生まれたときとは違う魂。
 神と呼ばれる、無から僕を作り出した存在の魂を取り込んだ、魂。
 神たちもまた、誰かに作られたもので。
 神たちは自分が作られた世界に満足できなかったから、
 「シルバーレイン」を、納得のいく物語にしよう、と言った。
 
 その魂が。
 その魂だ。
 
 僕は信じる。
 
 物理を超えて。
 ビリヤードの外で。
 確かに僕はいるのだと。
 
 丘敬次郎は、丘敬次郎たる思い出を探すことはないだろう。
 ただ、自分が自分であることを認識し続けるだけだ。
 ゴーストを殺すだけ。
 愛したいものを愛するだけ。
 人間を信仰するだけ。
 英雄を助けるだけ。
 
 神を作った神が打つ、ビリヤードの忠実な、玉に。
 
 懐のナイフを確認する。笑う。まだ、戦える。まだ、殺せる。まだ、男らしく死ねる。生きられる。
 自重しろ、俺は忍者だ。
 影に活(い)き、影に埋(い)け。
 
 俺の信じるものを助けるんだ。
 俺の信じるものに「なる」んじゃない。
 
 真っ当な彼ら彼女らを、真っ当な舞台に立たせたままにするために。
 真っ当でない奴らが邪魔をするのを許しておかないこと。
 
 真っ当でない俺たち同士だけでケリをつけること。
 
 行こう、光の差す場所へ。
 その影にきっといる、ダニどもを食いつぶしに。
 
 
 
 以上」 
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