人形の理合

 
 こんばんは、小細工のない鳩です……。
 
 ちなみにピーが入っている場所は皆さんおなじみ「スカルファック」です。こういう部分でも小細工をしないのが鳩流でございます。
 
 何故myu314氏=スカルファックなのかは不明……。俄かオタクの壁でございますよ。
 
 
 妄想シルバーレイン
 
 死を知らない魂
 
――――『深い意味の無い好意』
――――その言葉を主の口から聞いたとき、わたくしの心は例えようもなく乱れました。
――――神だの魔だのと言った人間の文明を真っ向から冒涜する存在を、皆殺しにすると言って憚らなかった主が。
――――魔のメスに『意味の無い好意』を抱く、などと。
――――信念を曲げてしまわれたか、と。
――――だが、違うのです。
――――わたくしは確かに、あなたがた一人ひとりをいとおしく思っていて、それは深い意味の無い好意です。
――――それでありつつも、我等は死ぬべき存在であり、『存在することそのもの』への憎悪は、いささかも揺るぎがございませぬ♪
――――……すなわち、わたくしがあなたがたに、勝手ながらも求めることは。
 
 「ぷう。」
 
 リビングデッドの匂いから離脱し、丘・敬次郎はひとつため息をついた。
 
 「大丈夫?」
 「申し訳ありませんが、10秒だけ深呼吸させてください。」
 
 王河・見環(おうかわ・みわ)が声をかけ丘は申し訳なさそうな笑顔で返す。
 
 「全くだらしない。」
 
 望叶(みかのう)・タマエが灰色のウェーブがかった髪をかき上げれば、
 
 「あと20階あるんですのよ?このぐらいで音を上げるぐらいなら、帰った方がいいんじゃありません?」
 
 ピジョン・ブラッドが縦ロールの金髪を揺らす。
 
 「ごめんなさい。
  どーもね、リビングデッドだけは苦手で。というか、嫌いでね。」
 「好きな奴なんていないわよ。」
 「リリスなら好きなんですけどねえ。」
 
 デリカシーの無い答えに、タマエがほんの僅かに眉を顰める。
 
 「よし、回復しました。行きましょう。」
 「そんなにリリスが好きなら、次は足を滑らせてヘルメスフェイクと一緒に蹴飛ばして差し上げますわ。」
 「ありがたい申し出ですが、そんな余裕はたぶん無いと思いますよ。」
 「白燐奏甲の無駄になるからやめて欲しいわ♪」
 
 東洋新世界ビルディング。
 ゴーストタウンになるべくして作られた、高さ32階の魑魅魍魎の巣だ。
 ヤクザのリビングデッド、死した女性が変容したリリス、わざとゴーストになるように殺された地縛霊、野生ではありえないフォルムと機能を備えた機械的な妖獣。
 ゴーストを手駒とする何者かが、財力と権力を駆使して作り上げた小さな魔界。
 
 こんなものはあってはならない。
 何も知らない一般人の手を借りて作り上げた挙句、
 ゴーストにする為だけに無辜の民を殺して投げ込んで。
 
 世界結界という手段でなんとかゴースト共を押さえ込んだ努力を、よりにもよって無法で覆す。
 ビジネスと解剖以外にさしたる興味を持たない丘も、この堂々たる異端ぶりには腸が煮えている。
 いや、裏に生きる忍者であればこそ、おぞましきこの世の裏側を恥じもせず堂々と表沙汰にすることに憤りを覚えたのかもしれない。
 
 「行きましょう。」
 「その細っこいナイフ、やめてもらえませんこと?」
 「ごめん被ります、こればっかりは、僕の魂が求めていますので。」
 
 ナイフは、丘の考える中で最も美しい刃物だ。
 肉を裂き骨を外し血管と神経を断ち切る。
 必要な切断力が、収納可能ギリギリの大きさに収まっている。機能美の極致。
 これが弱いというのなら、それは扱う自分が未熟なだけなのだ。
 ……悲しいかな、現状は、単純な破壊力を良しとする武具のほうが、対ゴースト戦では高い攻撃力を発揮するのだけれど。
 
 
 細いヤクザゾンビの体に白刃を突き立て、消え行く肉体を見つつ丘はまたため息をひとつ。
 
 「やはり、リビングデッドは嫌いです。」
 
 目的も無く。意思も無く。
 丈夫で有害で何より臭い。
 ゴーストであるから、無意識のうちに急所を避けるというゴミのような『ルール』に従うし、
 解剖するべき肉体は腐っている。
 手際よく殺す楽しみも、殺した後バラす楽しみも無い。リリスや地縛霊のような、狂気じみた自我すらも無い。
 丘は彼らと対峙するときいつも思う。
 お前は何故生きているんだと。
 
 興味どころか嫌悪すら覚える。
 何の関係も無い他人の癖に、この俺を不愉快にしやがって。
 俺は俺が愉快になれるものだけあれば満足なのに。
 俺が好きになろうとすらしていないお前らが、何故勝手に俺を不愉快にしやがるんだ。
 自我のぶつかりあいですらもない、何てつまらない、つまらない奴らだ。
 
 殺す楽しみしかない。
 倒す喜び以外何も無い。
 
 お前らは、精々。
 
 ピジョンを掠めて飛ばした水刃手裏剣には、多分に苛立ちが篭っていた。
 亀の形をした妖獣が、隙間を穿たれて瓦解する。
 振り返ったピジョンが見た丘の顔は、いつもの笑顔ではなく。
 
――――精々、『わたくしを楽しませてから死ね。』
 
 叩き付けるだけを救いとする怒気が宿っていた。
 
 
 以上。」
 
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