ブラックブロッサム

 「鳴くな、喋れこの豚!
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 妄想シルバーレイン
 
 騒がしいダークネス
 
――――暗闇の中でうろうろしている ボクのなんだか 黒い青春
――――アタマの中の世界がぶくぶく 小さな部屋でふくらんでゆく
――――だれも知らない 自分だけの新世界
                             B’z 『黒い青春』
 
 「あ、お帰りなさい。」
 「何だよこれ。」
 
 モニタだけが光る真っ暗な部屋に、ルームメイトがぼやいた。
 
 「雰囲気あるでしょ?」
 「何のだよ。」
 
 パチリというスイッチ音に遅れて、蛍光灯が正常な世界を照らした。
 モニタの前に座っていた丘・敬次郎は特に残念そうでもない様子でそれを受け入れる。
 
 「引きこもりっぽくて。」
 「気持ちわりい。」
 「ああ、気をつけてくださいよ。」
 
 ルームメイトがぶっきらぼうに押入れを開けたのを見て、丘があわてた声を出した。
 
 
 「はっ。」
 
 押入れは、二人の共有不干渉地帯だ。
 お互いの趣味のブツを、お互い口出しすることなく置く場所。
 占拠具合によっては協議もあるが、「何を置くか」については一切言及しない。
 それはいかがわしい本でもあったし、おぞましい標本でもあったし、あるいは恋文であったし、請求書でもあった。
 中を物色するルームメイトを暫し見つめていた丘だったが、パソコンをシャットダウンして、かけてあった上着に袖を通した。
 
 「出るのか?」
 「自慰でしょう?」
 「お前がだろ?」
 
 ルームメイトの言葉に丘は歯を見せて笑い、そして舌を出す。
 寮の部屋の扉は時代遅れな鉄扉だから、響かないように気をつけてそっと閉じた。
 
 夏の夜。怪談にはふさわしい。
 だが静謐なんか求めちゃいない。
 エレキをかき鳴らして、俺は不満だと言いたてたいのさ。
 
 俺は楽器ができないから、イグニッションと叫ぶだけだ。
 
 いつものメンツに電話しながら南十字病院へと歩いていく。
 
 ♪今日も無理やり笑顔を見せます
 ♪そして退屈を乗り切る
 
 激しいビートの歌を口ずさんで、ステップ。
 
 
 以上。」
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