遅きに過ぎる

 「優しいヒーローには、“自分を見くびるな、もっと我がままに望め”と言い、
 
 非道な悪役には、“勝手なことを望むな”と言う。
 
 少年漫画のような極端な代物でさえ、『バランスを取れ』と訴えるのだ。うんざりだ。
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 ……思えば、このブログにエントリを投稿するようになってから、ずっと……。
 
 いや、その前から。恐らくは、我が主、魔皇・筧次郎に教育されたときから。
 
 いや、もっと前、きっと主が生まれたときから……。
 
 
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 道端
 
――――狩人は言った。相手は鴨だと。
――――相手から見れば己も鴨だ。
――――だが、それを認めるわけにはいかない。鴨はお前だ。
――――自分を狩人だと思い込んでいる鴨を、射殺すのだ、と。
 
 艶かしい肢体は、胸にナイフを突き立てられると崩れて消えた。
 崩れる様を視認すると、消え行く様を見もせずに丘・敬次郎は濁った残留思念に歩み寄った。
 ふう、と探索仲間が息をつくが気にも留めず、淀んで歪んだ亡霊に詠唱銀の欠片を投げ込む。
 銀に吸い取られるように思念は消え、刀が残った。
 柄を握って二三度振り、持参した袋に突っ込む。
 使う価値無し。潰して詠唱銀にしよう。
 思念から収穫は外れの方が遥かに多い。残念と思うことすらもやめた。
 
 元締めらしきゴーストに到達。
 皆傷に呻き、怒号を上げながら攻撃する。
 心霊現象により下がった室温が、熱気に置き換わり。
 ボスの死を以って平常が訪れた。
 
 
 「ではまた♪」
 
 戦利品を背負い、丘は仲間に手を振った。
 目ぼしいものは無かったが、潰して銀にすれば無駄ではないし、
 制圧の熱情も味わえた。問題ない。
 
 思い出したように携帯電話を取り出し、ボタンを押す。
 耳に電話を当て、5,6秒。
 
 「もしもし。お疲れ様でございます。丘です。
  時間が空きましたのでご連絡を。
  はい。東京ですか?集合場所は?
  ……はい。……はい。はあ。はい。ではそこまでで降りて。後は徒歩で。
  いえ、問題ありません。
  死人は出さないように、はい。じゃあ拉致の足は?あります?ああ、よかった♪
  ええ、流石に免許はまだ取れないんで。
  はい、ではすぐに。
  あ、すいません下世話で申し訳ないんですが、このバイト代はいつ?
  いやあ、夏ですから色々とその。ええ、入用が……あはは……」
 
 応じると共に歩みを進めた丘の姿は、アスファルトの先へ小さく消えていった。
 
――――人格障害?
――――他者を軽んじるとか自己への誇大妄想とかそういう話でございますか?
――――己を現実から外して、そこを現実だと信じ込む。そうでなければ生きていけない。
――――そういう輩はあれですね、そうです。社会から外して隔離しなければ。
――――……あはははははは。当然我々は、人格障害です。
――――己以外は全て愚者、でなければ商売が成り立たない。
――――そうでなければ心が壊れる。そうでなければ生きていけない。
――――当の昔に道を踏み外して、踏み外し続けなければ死んでしまう。
――――そういう我々だから、そういう奴だから。丘を里に入れたのです。
 
 
 以上」
 
 
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