追憶

 「new と deleteはセットであるべきだ。
 
 作り手にも使い手にもイージーであろうとする媒体は、必ずどこかに皺を寄せている。
 
 ちょうど今神がJava研修中なんで。JavaそのものはともかくScriptとかHTMLとか絡むと気が遠くなるほどウザいそうです。
 
 妄想シルバーレイン
 
 
 短刀
 
 砂浜。
 潮風。
 学帽とコートを着て体育座りする、大男。
 それを見下ろす、ツーテールの白シャツ男。
 
 サルバドール・ダリでも、発想できないだろう。
 
 ツーテールの白シャツ男、丘・敬次郎は、長い沈黙の果てに、嘆息した。
 
 「帰ります。」
 
 おそらく、それは若さだ。
 彼がもう20年、同じ姿勢で時を過ごせば。
 学帽の男の顔を上げさせ、少ないカードを選ばせることも出来ただろうが。
 丘は、筧・次郎ではないし、鳩でもないし、パティ・ガントレットでも筧・小鳩でもパトリアンナ・ケイジでもケイジ・タカハシでもパティでもケイ・蛇原でも青田・ぱとすでもミカエラ・バラン・瀬田でもK・G・バランでも。
 ましてや。Kiwi_Vegetableでも、ないのだし。
 
 熟達もなく、熟達した振りも出来ぬほど未熟。そうあるように定義づけられていたから。
 
 「そうか。」
 
 顔を伏せたままの男に、丘は一瞥をくれて、また嘆息した。彼に、ではなく、自分自身の未熟に呆れて。
 この目を見て話させることが出来れば。
 闇を宿した目を見せれば。
 相手は覗きこんでくると思っていたのに。
 深い闇。正体の見えない僕を。覗いて。
 僕に僕自身を教えてくれると思ったのに。
 
 そう。本当は、先輩が抱えている悩みなんて興味が無い。
 勝手に悩んで潰れて構わない。ただ、僕が僕自身を知るためのきっかけになりそうだったからだ。
 病的なまでに、他人に興味が無い。礼儀正しくするのは、他人の中にある自分をそれなりの価値に保つため。
 接触するのは、自分の好奇心を満たすため。
 他人が何を考え悩み、傷みを背負っているかなど。『知ったことではない』とすら、意識しない。
 でも、今回は失敗した。
 
 「申し訳ありません。」
 
 丘の言葉に、男は少し体を震わせて反応した。
 
 「先輩を、ここまで追い詰めるつもりはなかったのですが。」
 
 男の体がまた震える。否定の意思だろう。『お前は悪くない』と。
 どこまでもやさしい、日本人の気質。
 丘は、それを知っている。知った上で、利用する。
 丘の内心にあるのは、何も得られなかったというつまらなさだけだ。彼は僕の鏡にならない。その結論だけ。
 それでも、口からは世辞や方便が出る。そう育てられたから。
 
 「お帰りを待っています。」
 
 レティクル定点観測所で。
 
 「何か、欲しいものはございますか。
  お菓子でも何でも。
  音楽とかご飯とか本とか。
  復帰のお祝いに欲しいもの。」
 「……。」
 「あれば、用意します。
  お詫びも兼ねて。」
 
 沈黙の果て、男はうつむいたまま、ありがとう、と言った。
 感謝される覚えなど無い。
 なんとなれば、丘は彼を掻っ捌きさえしただろう。感慨も無く。
 ただ、手を出すことも手を引くことも、丘には命令されていないし、面白くも無い、というだけで。
 
 「伝言を一つ。
  僕、早生まれでして。」
 「?」
 「高校生です♪」
 
 大男は、うつむいたまま、そうか、と言った。
 
 「帰ります。」
 
 言葉を残して、丘は立ち去った。
 
 目を見ることすら、敵わなかった。
 大男は、僕の闇を覗くことすら拒絶した。
 未熟。敗北。
 悪いツインテは敗北し、露払う枝に払われた。
 それでいい、今は。
 僕は。
 この程度で引き上げる程度の未熟さであるように、初めからプログラミングされているのだから。
 
 やめろ。やめろ。俺の脳の構造を分析させるのは。
 俺は俺だ。俺は俺でありたいんだ。
 俺らしさをお前が作るな。
 俺は、俺のためだけに、俺で居るんだ。
 
――――お前は、わたくしの溜飲を下げるためだけの
――――人形です。
 
 思い出した言葉に、強い否定と肯定の念を交え。
 兎に角、一刻も早くシャンプー&リンスがしたい、と髪を指で漉いた。
 
 
 そもそもマークアップ言語と高級言語を交えた挙句、『ブラウザ』というトーシロ向けのインタフェースに出力することを目的とするなんて気が触れているとしかでも恩恵は多大に受けているのだけどもう寝る。
 
 
 
 ……。
 
 ……神。神。
 
 ……鳩はあなたの人形だが、腹話術までさせられる覚えは、あ、その糸を切らな」
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