無論終わらん魂

 「くたばれ!
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 チョキの芽吹き
 
――――人間止めた癖に人の上に立つなど反吐が出ますね。僕らはお互いバケモノ同士、憎み合い殺し合うのが似合いです!!!
――――鳩の主が人間のことを好きだと言っても、あの方は鳩の主を好きだと思ってくれないでしょう。それは、とても悲しいことだと思います。
――――許さないと思っている相手の心を揺らしたいなら、たくさん売り払わないといけないものがあるのですよ。それが出来ないなら、当然我々は許しませんし、我々なりの『許さなさ』って奴を味わっていただく事になります
 
 「驚きました。」
 「鳩も、驚きました。」
 
 思わず、『お屋形様』も昔の一人称で自分を呼ぶ。
 筧・次郎が見下ろすのは、丘・敬次郎の気絶した肉体。
 その右手は欠損し、激しく流血している。
 『お屋形様』こと筧・小鳩は、流血する主(あるじ)の手と倒れ伏す丘を交互に見て、ふう、と息を漏らした。
 
 事の始まりは1時間前に遡る。
 次郎と小鳩は組み手を行っていた。
 次郎は全身に魔の印を浮かばせ、小鳩は両手を銀の篭手に、
 すなわちリボルバーガントレットなどという「この世界」に毒されていない、互いにピュア、パワー全開の状態で。
 打ち出す拳も始めは小鳩のほうが勢いがあったが、その悉くが逸らされカウンターされる。
 それでも機械の如く怯まず攻め立てる小鳩だったが、次郎は全く動じる事も無く、避け、逸らし、反撃を入れる。
 崩れかけた均衡は次郎がぶち込んだ蹴りによって完全に傾いた。
 胴体へ脚全体が振りこまれる、ジャストミートとしか言いようが無い蹴りに小鳩の体は宙を舞い、
 着地を待たず次郎のナイフが小鳩の喉に突き立ち下半身まで引き裂いたのだ。
 
 『お屋形様』が圧倒的に倒される様を、丘は余さず見ていた。
 その後、丘は次郎に挑んだのだ。
 
 相手にもならぬ、と、同僚の忍者も見ていた。
 最初に次郎の一撃に吹き飛ばされ、それからは彼のライフルに翻弄された。
 術も使えぬ間合いからの魔弾射撃に、なすすべも無く、木の裏に隠れるばかり。
 
 状況を変えたのは、丘の取り出したショットガンだった。
 魔属である次郎には、元来、神にも魔にも属さない攻撃は通用しない。
 だが、衝撃は受ける。
 上半身全体に散弾を受けた次郎は、流石にのけぞった。
 その一瞬の隙に姿を現した丘は、走りこみながら煙幕弾を投げ込んだ。
 ありったけの煙幕弾には魔人と言えども視覚を奪われる。
 浮遊機雷『真・ワイズマンクロック』を浮遊させ探索するがそれが結局仇となる。
 衝撃、または本人の意思で炸裂すると言う機雷の性質を丘は一瞬で見抜き、
 幾合かのやり取りの末、次郎の手元に出現した瞬間に水刃手裏剣で打ち抜くことに成功した。
 
 その結果が、次郎の右手の負傷だ。
 後のなくなった次郎は、足の速さに物を言わせ一気に接近、手裏剣を打たせる間も無く、総身が消し飛ぶような爆水掌を打ち込んで、丘をダウンさせた。
 
 「鳩、あなたこの子にどんな教育を?」
 「申しわけございません。」
 「いやいや。そうじゃなくて。
  人工兵器が効かない我らに、此処まで食い下がるとは。」
 「鳩ならば、有無を言わす前に殺してしまえますが。」
 「相性なんでしょうね、多分。
  ここまでカードを持ってる奴はなかなかいない。
  おまけに、これからまだ成長するんでしょう?」
 
 将来、彼を殺す依頼が来ても僕は断りますね♪
 
 そういって、次郎は、里を降りていった。
 小鳩が、倒れる丘を見下ろし。
 己の人を見る目を、半分誇り、半分疎ましく思った。
 
 以上。」
0925_wt03pcbust_w3a379ouma_00030925_wt03pcbust_w3a379maoh_0002b25240_bust_1
広告

kiwivege について

nothing
カテゴリー: シルバーレイン パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中