やはり貴方が好きです。人間的な意味で。

 「謝られても意味が通らないほどこてんぱんに。
 
 こんばんは、自分が勝てる相手には容赦しない鳩です……。
 
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 オプティマイゼーション
 
――――最適化にも限界があるから。でもそれでしか実現できないことを、そのプログラムの作り手は望んだ。
――――そうでないと、つまらないと、相手を退屈させてしまうからだと、そう思ったからだと思う。
――――それは…サービスなのかしら。作り手がそれを言い切ることは驕りね。
――――…でも、それを受け入れてくれる人がいる限り、それはサービスとして、成り立つことができる。
――――…だから、ユーザの視点を忘れちゃいけないのよ。
――――視点を忘れないだけじゃだめね。
――――感謝するの、大切にするのよ、心から。
――――それで実はね、これはおとうさんが言ってたことなんだけど、秘密だけど。
――――そういう気持ちで書かれた仕様やプログラムって、物語みたいなんだって。
――――おとうさんはそういうのが、凄く好きだったんだって。
――――だからやめられなかったって。
――――それ自体が、
――――よく出来たゲーム
――――みたいだって。
――――…分かった?
――――とある、創造神の言葉
 
 「良い言葉ですね。」
 
 御簾の奥から聞こえる声は、鈴の音の様に透き通っていた。
 丘・敬次郎が跪く謁見の間。
 御簾越しに里長と出会うときはいつも、『彼女』が神として話をする時だ。
 丘もいい加減学んでいる。
 
 うんざりだ。
 目にも見えず、触れることも出来ず、しかし我らの運命を操る神になど、
 一体憎悪以外の何の感情を抱けるというのだろう。
 
 「最適化には限界がある。
  あなたは妥協の産物だ。
  本当の貴方は40を超える経験豊かな殺し屋で、偉そうに説教をして、女の子を誰彼構わず口説いては、
  朗らかに悪魔のように笑う、プロ中のプロ。」
 
 今の有様に不満を漏らされても困る。
 僕は僕でしかないのだから。
 
 「だが貴方は14歳の水練忍者として生まれた。
  それが当時わたくしが出来る限りの『最適化』だった。」
 
 やめてくれ。
 僕は僕だ。
 14歳以前の記憶だってある。
 ……あるんだ。
 事実などなかったって、僕には記憶があるんだ。
 
 「貴方が好きなことは?」
 
 ご存知だろう。
 
 「貴方が好きなものは?」
 
 言う必要があるか。
 
 「貴方が楽しみたいと思うものは?」
 
 それもまた、"初期値"だろ。
 
 「貴方が楽しませたいと思う人は。」
 
 神のさじ加減一つだ。
 
 「メンテナンス、とは、維持、保全という意味だそうですよ。」
 
 そうかよ。
 
 「維持とは単に、元のあり方を死守することではない。
  現状に沿いながら、本来の機能を損なわぬよう、変化させていくことです。」
 「お屋形様。」
 
 静かに。丘が口を開いた。
 
 「僕は、望叶・タマエを愛しています。」
 「誰がそれを邪魔すると言ったのでしょう?」
 
 御簾の奥が、笑った。
 
 「お前には何も無い。
  死に抗う意思も。
  愛する人を決める意志も。
  殺す相手を決める意思も。
  守る相手を決める意志も。
  全ては、『わたくし』の趣味だ。」
 「お屋形様。」
 「あなた、北海道のサーバにいるデータは、当然変わっていませんが、
  実は、もう、わたくしの中では、5人目ですよ?」
 
 嬉しそうに、笑う。
 
 
 「嘘です♪」
 
 神は、死なない。
 少なくとも、俺よりは長生きしやがる。
 
 丘の歯噛みを効いて、神はまた、矮小なものの滑稽な抵抗だと、笑った。
 
 以上。」
 
 
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やはり貴方が好きです。人間的な意味で。 への3件のフィードバック

  1. - より:

    あああ…。もう…。誤字エントリは『北海道に言ってきます。』でした。…動揺してるのかと思って申し訳なくなったんだと思います。それだけです。よく分かりません。すみません。勘弁してください。

  2. きうい より:

    こちらこそ。ごめんなさい。そんなに深い意味無いんです、色々と。……いや、わたくしは、hypo-様がこうやって動揺されることも込みであの文句――――「誤字入りエントリって何だ」――――を書いた気もいたします。我ながら本当に性格が悪い。フォローになるかどうかはわかりませんが、hypo-様には本当に感謝しています。夏の時分のやり取りで丘はずいぶん、「自分は本当はどうしたいのか」というのを考えさせられましたし、その分、丘はまた一段と丘らしくなったのかな、と。彼なりの割り切れない問題を抱えるようになって、彼なりに割り切って考えるようになったのかな。其の中で本日は、そちらのブログを読み返してみて、先の最適化の話を再読いたしまして。先日の「丘は人形に過ぎない」という宣言と合わせてみると、わたくしも常に奴を、「限界のわかった上での最適化をしてるんだよな」と思い、このような文章を吐き出しました。hypo-様の感覚では、不快なのかもしれませぬが、わたくしは、他人の言葉に突き動かされて何かモノを書くのが気持ちよかったりします。ケンカを売るのであれ、敬意を表すのであれ。あと、とりあえず「書いてみてから考える」。多分、これからもご迷惑をおかけします。代わりと言っては何ですが、どうか、遠慮なしに迷惑をおかけくださいますよう……。何で自重するという発想が出来ないのか、自分でも良く分かりません。本当ごめんなさい。

  3. - より:

    毎回動揺しすぎてすみません。不快に思ったことはないです。わたしも書かないと考えられないし論旨が通ったかも分からない性質なので、考えさせられることは楽しいし、ありがたいです。ブログには限りませんが。普段から遊びというか、つつかれ慣れてはいるので、自重はそれほどしなくても大丈夫…と…言い切るのは…危険な気はしますが…大丈夫…ではない…がゲームなのでゲームだと割り切って楠森をもっと鍛えます。あああ。

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