神の糞

 「屑がっ!ド底辺がっ!何故今土を舐め許しを請わないこの、虫以下のヘドロ製造装置!
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 ……神が携帯電話でグリーン姉さんを検索していたときに見つけたブログ、です……。
 
 感じたのは2点。
 
 1.専門用語をふんだんに使っているのは皮肉かネタだと思っていたら割と真剣だったのでビビッた。
 2.狂人は(論理的にかんがえて)排除されるもの、という結論に関しては賛同する。
 
 
 ……これらは本来神託であり、本殿にて語るべきことなのですが、
 
 「社の奉ずるには向かぬものもあるんだ。」と神が笑ったので、魔人たる鳩が担当することになりました……。
 
 
 ……日本神話には、シモの話が結構ございます。
 
 近親相姦やスカも。
 
 しかし、それらは、神話であるがゆえに「ハレ」なのだ、とのこと。
 
 「神」が「神」に向かって話す場である本殿では、「ケ」は本来的には扱うことができないのです。
 
 
 ぶっちゃけて言えば、本殿で語るにはきつすぎる、のです。
 
 我等が創造神は臆病なので、自分のうんこを神殿に奉ずる勇気は無いのです。空気もありますし。
 
 
 
 ……で、読者の方はご存知の通り、我等被造物は基本的に悪事ゴーゴーで生計を立てています……。
 
 つまり、「ケ」そのもの。本当の意味での神の吐瀉物であり排泄物です。
 
 だからこそ、「ハレ」を外から見ることができ、
 
 また、鳩が(一応設定的には)11歳の少女であるのでキツいことを書いても早々心に響かないだろう、という卑怯な目論見もあります……。
 
 
 ……我等は被造物ではありますが、
 
 「悪たるためにはどうあるべきか」ということを神に提供しても参りました。
 
 「被造物が被造物らしく設定に基づいて動いているように見えるにはどうするか」を考えさせるうち、
 
 神は己の「ケ」を考えるに至りました。
 
 我等というシステムを構築し維持する過程で、神自身も変質していった、ということ……。
 
 バーチャルであれ、よりリアルに見える悪事を追求すれば、それは「新しい知識」として神の身に吸収されます。
 
 我等を作った当時の創造神のままでは、いられない、ということ。
 
 ……神が快楽主義思考に入ったのも、我等の創造が大きく関与しています。
 
 
 ……一応断っておきますが、我等がいわゆるプレイヤーなるものを「神」と呼ぶのは敬意ではなく単なる経緯です……。
 
 どこにもおらずしかし我等を確実に創造したものとしての呼称であること、それ以上の情がないことを、どうかご理解ください……。
 
 
 さて。
 
 キチガイは死ぬべき、獣でしかいられないヒトは死ぬべき。
 
 
 その部分だけ鳩は都合よく拾いまして、妄想シルバーレイン……。
 
 
 クロス
 
 「この身義侠に奉ず。」
 
 と手斧を構えられたので、
 
 「この命、金と欲に捧ぐ♪」
 
 とヤッパを仕舞って逃げました。
 
 
 丘・敬次郎のルームメイトは、しかめっ面をしている。
 丘がどうこうではなく、単に興味ない話をされたことを不愉快に思っている。
 
 
 「……表現の場を持ってるんだから、そこでやれ。
  お前の裏事情なんぞ知りたかない。」
 「個人ブログじゃ書けない話題ってのもあるんです。」
 
 丘・敬次郎はブログを持っている。
 版権、人種差別、エロとおよそ統一性の無い(かつ、あまり大声で言うべきでない)話題を書き散らし、
 内容に至っては反社会的と言っていい。
 
 それでも書けないことなんてあるのか。
 
 「ネタに出来ないことってのはあるんですよねー。」
 「つまらないことは罪悪、だろ。どんなものでもネタにして見せろよボケ。」
 「おっしゃる通りなんですが。
  言い返す言葉もない、が。言い返します。
 
  出来ないことは出来ない。」
 「そうか。」
 
 ため息を吐く。
 
 「でもはけ口を俺に求めんな。」
 
 ルームメイトはヘッドホンを被り、「もう聞かない」のアピール。
 
 「じゃあ、勝手に独り言を。」
 「うぜえ死ね。」
 「忍者なので当然守秘義務とかは厳しいんですよ。
  そこら辺の事情は当然ネタにはできない。」
 「死ね、うるせえ。死ね。」
 「しかし、その周りで起こったきわどい出来事ってのは、
  記憶に残ることも結構ありまして。」
 「死ね、首吊れ、話しかけんな出てけ。」
 「吐き出したい欲求は、あるんですけどねー。」
 「死ね、山に穴掘って王様の耳はロバの耳って叫んでから落っこちて埋まれ。」
 「殺したとか殴ったとかガチのバイオレンスの話になりますと、流石にねえ?」
 
 にやけた面のツーテール頭をルームメイトが思い切り蹴り飛ばす。
 横たわった丘の体に貯金箱を振り下ろして顔といわず腹と言わずどかどかと殴る。
 この程度で死にはしない。丘は能力者だから。
 だからせめて苦しむように、骨や内臓に響き渡るように振り下ろす。
 
 「痛い、痛っ、痛い。」
 「死ね、死ね。出て行け。死ね。」
 
 丘が殴られつつも、ツーテールに結った髪から針を取り出し、自分の喉にあてがう。
 皮膚を貫こうと力を込めた矢先、危機を感じ取った無意識がイグニッションカードを発動させた。
 
 黒いハンチング帽に丸レンズのサングラス、白くてゆるいコートに足袋。
 能力者としての力を呼び起こした姿。
 もはや、『この世にある普通の器物』では傷つかない。殴られながらも徐に立ち上がり、ルームメイトのヘッドホンを取る。
 そして、握りこぶしを鎖骨に叩き付ける。
 
 ルームメイトの体もまた、光に包まれ、衣服が替わった。
 両手にリボルバーガントレット。衣服は黒い拳法服。
 
 「……いてえ。要するにアレだろ?
  ネタにならねえなんて言い訳で、
  お前は自分が人殺しだとか恐喝犯だとか言って嫌われたくないだけだろ?」
 「屋上、でましょっか?」
 「ヒサビサにキレたってか、へっ、カス、ボケ。
  ロリコンアピールも彼女いないも忍者の仕事してるからってのも全部予防線だ。
  そう言っておけば、突っ込まれなくてすむからな。
  楽だもんな、非難されない立場ってのは!」
 「身に覚えがありそうな言い様ですね。」
 「話逸らすな。
  大体俺の話にリアリティを感じるってことは、お前が今正にそうしてるから感じるんだろうが、Q.E.D.だ阿呆。」
 「屋上で続きを。」
 「やだね。
  怒りで全部忘れたがってるお前にそんな甘えは許してやらない。」
 「どうぞ。
  許してやらないなら許さなさって奴を見せてください。」
 「いつかも言ったよな。
  あれから一年以上経つのにまだ学ばねえのか。
  挙句吐き出せねえとか糞みたいな駄々こねて。
  知るかっつんだよ!」
 
 いいつつ、ルームメイトは両足を広く開き、ガントレットに包まれた拳を構える。
 その目には、敵意も殺意もない。
 格好だけ恐ろしく見せる、という、丘への皮肉であった。
 
 あるはずのない敵意を見せ、口では勝手を述べる。
 そして、心の中に秘めたものはもっともっと(社会正義的に)おぞましいものなのに、
 吐き出したがっている。
 そして、その吐き出したがる自分を否定している。
 
 うんざりだ、うんざりだ。
 
 「……ネタには出来ませんね。」
 「喧嘩してルームメイトの鎖骨折りました。
  非難囂々だよなあ。
  お優しい読者様なら慰めてくれるか?」
 「ほら、ネタになんぞ出来ない。」
 「だから、未熟を呪えよ屑。」
 「一年前より口が悪くなりましたよね。」
 「そうでもしねえとお前と付き合えないからな。」
 「本性を見せてくれたわけだ♪僕の本性と付き合いたいがために♪」
 「死ね。
  本気でそう思うよ。」
 「僕も。死んだ方がいいと思うんです。
  生きてるんじゃない、死んでないだけだ。」
 「死んでないんじゃない。
  まだ殺されてないだけだ。」
 「殺してくれるんですか?」
 「やなこった。
  何でお前を喜ばせなきゃならんのだ。」
 
 ルームメイトは構えを崩さなさい。
 丘はそれ自体が皮肉だと、虚勢だと分かりすぎるほど分かっているから、ただ立っているだけ。
 
 「一人で惨めに首吊って死ね。」
 「ピジョン様ぐらいですよ、そこまではっきりと敵意を向けてくれるのは。」
 「敵意じゃない、嫌悪だ。
  構って欲しいだけかね、餓鬼じゃねえか。
  笑わせんな、餓鬼が殺すだの死ぬだの。
  生きてろ。」
 「……。」
 
 次に出す言葉は決まっていた。
 けれど、苛立ちを消す役には立たぬ。
 袖にしまったナイフをどうするか。
 考えてから、丘は手裏剣を放ってルームメイトの貯金箱を割った。
 
 「だからこんなん、ネタに出来ませんってば♪」
 
 小気味良い破壊音に気を殺がれたのか、ルームメイトは装備をイグニッションカードに封印する。
 
 「俺はな、お前のハッタリを一番知ってるのが自分だってのが一番気に食わない。」
 「来年卒業でしょ、それまで待って下さい。
  学園の名簿から消えたら、きちんと殺しますから。」
 「殺すとか死ぬとか。
  言えるほど大人か?」
 
 ルームメイトは座って、再びヘッドホンを被る。
 
 「それに前に言ったろ?
  『俺は性別がはっきりしないから、名簿に載ってない』って。」
 「で、結局、無性なんですか?両性具有なんですか?」
 「それもよく分からん。
  てか死ね。」
 
 此処には、ヒトはいない。
 生物学的に、ヒトではないと分類せざるを得ないものばかりだ。
 
 世界結界が解ければ、万人に宿るという能力者の資質が目覚め、その境界線はなくなるのだろうけど。
 
 今のところ、死人と戦うことのできる能力者は、一般人とは明確に区別される。
 殺人犯と市民のように。
 ヤクザとカタギのように。
 男性と女性のように。
 仮想と現実のように。
 
 誰かが殺してくれるまで、
 あるいは自分がいなくてもいい世の中になるまで、
 あるいは自分がいても構わない国になるまで、
 じっと待っている。
 
 じっと待っている。
 
 じっと待っている。
 
 殺し続けて。
 誤り続けて。
 謝り続けて。
 笑い続けて。
 怒り続けて。
 
 尽くしたものが果たすべき人事かも分からないまま、神に祈って。
 
 じっと待っている。
 
 じっと待っている。
 
 以上。」
広告

kiwivege について

nothing
カテゴリー: シルバーレイン パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中