信じるに足る何かを

 「欲することしか知らない豚め!
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 それを悪夢と
 
 水練忍者・丘敬次郎は考えていた。
 
 己は必ず強くなければならぬ。
 しかし、上には上が居過ぎる。
 果たして、自分が拠って立つ事の出来る技術とは何であるか。
 
 師匠は伝説の掃除屋だ。
 空の掌は、凶器を抜き人を裂くまでを一挙動で行う雷光の閃き。
 巧みな暗器術を磨くか?
 
 里長は地獄生まれの魔人だ。
 銀の拳は、敵の肉体を葛のように砕き巻き上げる竜巻。
 比類無き膂力で競うか?
 
 
 俺には何がある。
 ほんの16年。その中で一番多く積んだ経験は何だ。
 刃も握った。銃も撃った。詠唱兵器も使った。
 
 掌を開く。
 これは、違う。
 俺が握ったのはナイフのみではない。
 硝煙すら嫌う師匠の潔癖なる手並みには追いつけない。
 
 
 拳を握る。
 これも、違う。
 俺が使ったのは拳のみではない。
 埒外の膂力あってこその業など、鍛えようが無い。
 
 ならば?
 
 自然と手が構えたのは、ペングリップ。
 幾多の生贄を捌いて来た、メスと鋏を持つ手。
 
 「これか?」
 
 誰よりも、肉体を知っている。
 誰よりも、肉体を見ている。
 誰よりも、肉体を愛している。
 どこの神経がどこに繋がりどこの筋肉を動かすか、俺は知っている。
 シルエットさえ見えれば、血管から筋繊維まで透かして見られる。
 畳んだ小指薬指をそのままに、中指と人差し指を伸ばす。
 
 これだ。
 
 無敵の速さだろうと、最強の力だろうと黙らせる、確実に完全に命のスイッチを切る技術。
 速さは要らない。力も最低限でいい。スイッチを探し当て、必要な力で押す。カットする。
 俺なら出来る。
 
 IllegalAccessException: 全力で戦闘を行っている場合は、相手の隙ができた場所を攻撃するのが普通ですので、特定の部位を狙って攻撃する事はできません。
 IllegalAccessException: 特定の部位を狙って攻撃した場合は、攻撃の命中率が大きく下がってしまいます。また、必ずしも狙った場所に命中する訳ではありません。
 IllegalAccessException: よほどのことがない限り、部位を狙った攻撃は『効率の悪い攻撃』と言えるでしょう。
 
 赤い文字が躍る。
 はは、そんなもの、超えていかなくてどうする。
 
 NullPointerException: 無抵抗な状態の相手の心臓を一突きにしたとしても、レベルの高い能力者やゴーストはHPが高いので、即死するような事はありません。
 
 ふふふはははは。
 動力源を殺されて動いていられる存在などあるものか。
 たとえ、蟲のように頭を千切っても生きているようなゴーストであれ、
 俺は「一撃で殺せる急所がある」と信仰している。
 「だから」、一撃で死ぬ。理由は俺が信じて撃つからだ。
 スピードでもない、パワーでもない。
 当たれば死ぬ、呪いの一撃。最低の悪夢。
 これだ。
 これが。これだけが、俺だけに出来る、最高の。
 
 
 以上。」
  
 
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