とろけるまで愛し合っても未成年

 「腐って朽ちろ!
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 狂気の渾名
 
 御簾の掛かった謁見の間に、一人の男が走りこんできた。
 その男は跪き、影に報告する。
 
 「お屋形様、林が!」
 「落ち着きなさい、何があったのですか。」
 「は、2号棟の林が狂気に犯された模様で!」
 「案内を。」
 「は!」
 
 開かれた御簾から出たのは、灰色髪の背の低い女。
 どこの民族のものとも知れぬ、特異な衣装を着ている。
 
 「こちらです!」
 「なるほど。」
 
 林、と呼ばれた男は、水の刃を撒き散らし、押さえ込む同僚を無差別に傷つけている。
 
 「お前達は死ぬべきだ、死ぬべきなんだ!」
 「ええその通りです。」
 
 目の前からの声に、初めて彼は上司の存在に気づいたらしい。
 
 「あなたがいつもおっしゃっているように!
  ワレワレは死ぬべきだ!
  殺さねばならぬ!」
 「貴方は正しい。」
 
 言葉とは裏腹に、女は林の股座を蹴り上げた。
 泡を噴いて崩れ落ちる男を、女は見下ろす。
 
 「問います。
  あなたは死ぬべきですか。」
 
 だが男は、呼吸も出来ぬままうずくまり。
 女はそれを容赦なく蹴り転がした。
 
 「問います。
  あなたは、死ぬべきですか?」
 
 かすかな声で、「死……ぬ……べき……。」
 
 と応答が帰ってきた。
 
 「では何故率先して死なぬ?」
 「わたしが死んでは!誰があなた方を殺すのですか!」
 
 次の瞬間、上げられた頭が弾けて飛んだ。
 それがお屋形様の蹴りによるものだと、周囲のものが気づくには数瞬が必要であった。
 
 「あなたは、正しい。」
 
 首の無い死体に、彼女は語りかける。
 
 「ワレワレがいなくなっては、誰も首を括ってくれなくなる。
  わたくしがいなくなれば、誰も彼も命を惜しむ。
  だが、そんな異端は、わたくし一人で十分なのだ。
  矛盾を抱えていることなどとうに知っている。
  それでも、『それができるときまで』ワレワレは力を蓄えねばならぬ。
 
  それを考えられないほど発狂したのであれば、死ぬより他に。
 
  なし。」
 
 
 そう言って、彼女は血に汚れたスカートの裾を軽く払い、神座へと帰っていった。
 
以上。」
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