呪文降臨!私はアイドル

 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 偶像支配者
 
 何時かの未来。
 
 ピジョン・ブラッド。
 彼女の来訪と。
 丘・敬次郎。
 彼の出撃は、奇しくも同時であった。
 
 「基本的には一本気だけど 時と場合で移り気なの♪
  そんな柔軟適応力 うまく生かして綱渡り♪」
 「……。」
 
 忍者の里、瑠璃へ至る獣道。
 歌を口ずさみながら歩いてくる丘を迎え撃つべく、ピジョンは構えを取る。
 
 「好きな人にはニコニコして そうでない人もそれなりに♪
  外面よくて内弁慶 世渡りだけは上手♪」
 「……?」
 
 そんなピジョンを、まるで居ないかのように丘は歩いてくる。
 イグニッションは既に完了しており、腰には詠唱兵器のナイフも見えるが、抜く気配は全く無い。
 
 「……ゴミカス。」
 
 歌うのを止め、丘は笑顔のままピジョンを軽く指差した。
 ピジョンの顔は、一瞬憤怒に染まったが、直ぐに意図を悟り、構えを説く。
 
 「ああ、そうですわね。塵芥(ちりあくた)。」
 
 丘は全ての能力者を、この世から消えるべきクズだと信仰しており、
 ピジョンは丘のことを、宿敵・瑠璃の里長の前をうろつく虫けらだと認識している。
 
 「……きっと私は自由! そりゃ多忙なスケジュールに♪
  いつ倒れるかもしれない ハードワークでも♪」
 
 丘もピジョンの表情を見て取り、にまりと笑う。
 敵等ではありえない。
 踏み潰して当然。踏み潰せて当然。
 
 「だって声援をくれる この素晴らしいファンがいる♪」
 「……ふ。」
 
 歩く。
 互いの道を。
 「もしポリシーを曲げたなら♪」
 「ふふ。なるほど確かに偶像(idol)だ。」
 
 まるでその道の上に何も居ないかのように。
 
 「彼らを裏切ることに♪」
 「ふふふふ……。」
 
 障害物ではない。
 では、擦れ違うのか?
 「それはできない♪」
 「ふっふっふっふ、うふふ。」
 
 否。
 両者の距離は零に近づく。
 
 「逆説的に……」
 
 轟音を上げ、ピジョンの靴底と丘の膝が激突した。
 
 「はて?随分と、硬いゴミが足に当たりました♪」
 「おや?この虫踏んでも死なないのですね。」
 
 お前は
 路傍の
 石だ。
 
 「この私無視する その度胸は何様なの!♪
  そう素直になるがよろし ただちにひれ伏せば♪
  もう毎日バラ色 幸福確実・・・たぶん♪」
 「不快な音色で鳴く虫ですわ。」
 
 丘はこれより、世から能力者やゴーストの脅威を除きに行く。
 ピジョンはこれから、彼にそれを命じた黒幕を滅ぼしに行く。
 道は交わってなど居ない。
 「お前」は邪魔者などではない。
 そんなことは断じて認めない。
 「お前」など、いないも同じ。
 そうでなければいけないのだ。
 
 丘が特大の水刃を振るい地を裂けば、
 ピジョンの脚が弧を描き木々を断つ。
 言葉は交わさない。
 ゴミに言葉は通じない。
 虫に意味など理解できない。
 
 踏み潰されろ。踏み潰されろ。踏み潰されろ。
 戦いと呼ぶには余りにも醜悪な、
 しかしそれ故に何より純然たる
 戦争そのものが其処に現れたのだ。
 
 
 以上。」
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