ぎゅっとしてどっかん!

 「となえよ。紅き悪魔を呼ぶ声を。
 
 N’ak Kode Tihs Ot Tuyg
 Uk Oyr’o Non Ode Et Ur Us la Kah
 Ow O Nom Ur Uyar A Ot Ira
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 それでも書きたいから書いてしまうのです。
 
 妄想シルバーレイン??
 
 ギュッとしてドッカーン!
 
 ――――ほめられるのが、酷く嬉しかった頃。

 ――――今もそうではあるけれど、他人に興味の無いワタシは、胸倉を掴んでこちらを向けさせる以外の術を未だに知らない。

 
 初春、満月の夜。
 銀の手を持つ少女が和服に身を包み空を眺める。
 肌は青磁のように白く、瞳は瑠璃色。
 灰色髪をツーテールに結った、『魔機族』レプリカントの少女。
 魔皇・筧次郎のサポートとして生まれたながら、造物主やその周辺の神々から、主人以上に寵愛を受け、
 遂には彼の打倒を生涯の目標の一つとして定められる。
 それは筧次郎の求めたこと。
 生まれながらに魔である彼女こそが、
 魔物魔人を統率し、神の僕(しもべ)も魔の輩(ともがら)も皆殺しにするに相応しいと、その殺人者は結論したから。
 
 ある未来では既に彼の打倒を果たし魔人を統率している。
 ある未来では筧次郎を超え、尚超人的な力に磨きをかけるも組織を作るには至らず、孤高に殺戮を続けている。
 そして、この未来では。筧次郎の打倒は出来ていないが、何とか組織の設立と運営は果たしている。
 
 鳩は誰だ。
 
 造物主は言った。
 お前は筧・次郎のサポートに過ぎない。
 少女パティの名とツーテールを受け継げ、日本生まれだから鳩だ。
 レプリカントの『設定どおりに』任務に忠実、戦闘に強く感情は希薄。
 
 鳩はその通りにしてきた。
 
 この世界では、鳩はまた、造物主でもある。
 『丘・敬次郎』を作り上げた、プレイヤー。
 無敵の神にして何の奇跡も起こせぬ無能で無貌な神。
 誰も殺せない。
 誰も生かせない。
 丘・敬次郎の糸を手繰っても、『それ』は上位の神々の住まう世界の、北海道のサーバーの中のデータに過ぎない。
 この鳩すらもまた、別のサーバーの中のデータだ。
 サーバーの中の戦争。
 鳩の求めていたものは、その平和か?
 鳩が命じられたのは、それなのか?それでいいのか?
 
 月は丸く満ちている。
 山里には他に明かりもなく、青い光が辺りに満ちる。
 
 月は丸く満ちている。
 金色の月。
 網膜に焼きつき、やがて、補色が丸く影を映した。
 
 その中に、鳩は確かに見た。
 月の向こう側、月が決して地球に見せない裏側が、透かして見えたのだ。
 膨大な悪意。
 膨大な狂気。
 膨大な凶兆。
 あそこに住まうのは、悪そのもの。
 世界を混沌に陥れようとする意思。
 
 地を打つ。
 砲撃にも例えられる銀の拳で地を穿つ。
 叫びながら打つ。
 地震と咆哮に、里の忍者達が飛び出すが、知ったことではない。
 
 「ああ。あああああああああ!!!!!」
 
 『プレイヤー』であるが故に不可侵。
 そう設定された。
 丘・敬次郎の上司であるが故に無敵。
 そう設定された。
 あらゆるキャラクターの敵であるために最強。
 そう設定された。
 
 強敵でなければ、打倒される必要性が生まれない。だから強い。
 望むのはハッピーエンド。自分のような悪党が、正しく人間の善性に破壊される物語。
 
 だが、それは設定でしかない。
 
 「あああああああああああああああああ!!!!」
 
 この鳩の、わたくしの、この溢れる様な力は、確かに今此処にある!
 これを一体どうしてくれるのか!
 
――――ご乱心だ
――――止めろ
――――出あえ
 
 そう騒ぐ声が聞こえる。
 そうだ、乱心だ。止めるべきだ。
 
 いや、知ったことか。
 このわたくしが、この世界で最強なのだ♪
 
 世界結界が割れ、また一つの未来が生まれた。
 北海道のサーバーが許してくれない未来。
 造物主が許さない未来。
 
 青白いアイスブルーの月の光は、彼女の青い瞳を染め上げ、
 それを見たものはみな死んだ。
 
 丘・敬次郎など知ったことか。
 筧・次郎はどこかを放浪している。
 わたくしは最強だ。
 最強だ。だから、果たせる。
 ああ、思いの丈をぶちまけることは、こんなにも楽しいことだったのだ!!
 
 彼女は生まれて初めて笑った。
 楽しんで笑った。
 邪悪に笑った。
 自分を押さえつけようとするものは既に叩き潰したあと。
 ああ、何て脆い。
 
 わたくしは悪だ。今、悪を為さずにいつ為すのか。
 この身に溢れる力はただの設定などではない。
 
 「アアアアアあああああああああああああああ!!!」
 
 全力で空に打たれた拳は音速を遥か超え、衝撃音を木霊させる。
 月よ。わかった。わたくしはわかったぞ。わかったぞ。
 
 「あああああああああ、あ。」
 

 アイスブルーの瞳が純朴に光る。

 
 「遊ぼ?」
 
 ああ、そうだ。わたくし、遊んだことがありませんでした。
 壊すもの(あそびあいて)を探そう。
 そう、沢山いる。
 あ、それが目的でもあったかな?
 彼女は、走り出す。 
 
 白い風が吹いた。
 
 ありとあらゆるものを破壊する、風が。
 
 
 ……とある歌の歌詞の裏読みを知った喜びと勢いで書いたらこんなもんになったのです……。
 
 尚文中には、二つほどリンクが張ってあります。探してみてもよいでしょう……。
 
 以上。」
  
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