ファイレクシアン

 「言葉も無い。
 
 ……こんばんは。鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン
 
 証明の罪悪
 
 「田島隆、春日司郎。
  以上弐名、先の任務に於いて死亡したことを此処に報告する。
  遺体は通例に則り、解体の上火葬とする。
  葬儀、告別式等については、瑠璃は関知しない。
  以上。」
 
 灰色の髪を二尾に結った神がそう告げても、彼女がその場を去るまで一同は顔を伏せたまま動かなかった。
 
 遺体からは身許が割れる。
 それゆえ瑠璃では味方の死に際してはその遺体を最大限持ち帰ることにしている。
 
 遺体が無ければ「死」ではない。
 人相を調査される恐れもない。
 官憲からの追求を最大限逃れる為に、里に於いては――――少なくとも今の里長がこの里を制圧してからは――――
 遺体の始末は手前でやることになっている。
 
 当初は不満の声もあったが、里長が
 「より多くの死者を出したくないからこうするのだ!
  それとも司法に根掘り葉掘り解剖された挙句己の命まで危機に晒したいか!」
 と一喝してからは訴えもぐっと減った。
 それでも訴えをやめないものは、一ヶ月もしない間に消えた。
 唯一の里長直属である丘・敬次郎が消した。
 
 丘は、この里に身寄りが無い。
 故に、死者を悼む理由が無い。
 生まれた時から里長:筧・小鳩の傀儡となることが決まっていた特別な手駒である。
 
 里が悪を為し、神たる里長とその僕が里に悪を為す。
 
 何も。
 何も支障は無い。
 
  
 以上。全然だめだ。」
 
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