脱線の始末

 「失敗してくれればいい、なんて思っていない。
 
 ベストコンディションの全力で挑め。それをこそねじ伏せてやる。
 
 でなければ、誰もわたしの勝利を認めない。わたしの栄光が色あせるのだ。
 
 さあ、『わたしのために』全力で戦え!
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 刺身
 
 それは単なる興味だった。
 けれど、心地よい体験になることは、予測していた。
 
 嫌ぁ、いたい、いたいぃ……。
 手術台の上の女は、幼い悲鳴を上げ続けている。
 彼女の全身が危機を訴えている。
 血を流しつくして死ぬと。
 傷が深すぎて戻らないと。
 『早く何とかしてくれ』と。
 
 それでも『危機』は舌なめずりをしただけで。
 既に何度目かの絶頂を味わっていたその『危機』は、今まで使ったことのない器具を前にだす。
 
 カセットコンロと、フライパン。
 
 何をされるのか少女はすぐに悟ったが、しかしそれも、太ももの肉を切り出されるまでのこと。
 全身の激痛で、おぞましさはすぐに掻き消えた。
 
 「ぎゃああああ!!」
 「こういう風に切り取るのは、本当は美学ではないのですが。」
 
 切り出した身を箸でつまみ、口に運ぶ。
 もむもむ、と数分じっくりと咀嚼したのち、飲み込んだ。
 
 「うーん。やっぱり食肉ではないと言う感想ですかね。
  硬いし。脂が偏っているし。
  切る配分が良くなかったのかな。」
 
 もう一切れ今度は角度を変えて切り出し、今度はフライパンに軽く乗せ、どこから出したのか、小皿の醤油に乗せ口に運んだ。
 肉体の決定的な欠損、という事情に、少女はもう上げる声すらなく、ひぃ、ひぃ、と苦しい息を呑むばかり。
 
 「脂の赤みの配分は大事なようですね。
  あと、刺身醤油は大正解でした♪
  ソテーも。」
 
 「さて、全身を食い尽くしてるとおなか一杯になるのでピンポイントで。
  次は卵巣行きますか♪」
 
 「いやぁいやあああああ!!!!」
 
 
 「ご馳走様でした♪」
 
 最後の脳は苦労した。何しろ骨を削らなければならないのだ。
 脳自体は痛みを感じることはないが、骨に伝わる痛みは、身を切られるものとはまた異質。
 これをされると決定的に死ぬ、という彼女の恐怖もあってか、抵抗も激しいものだった。
 
 結果、不本意ではあったが、首筋を折ってから頭を開いた。
 
 「おおお。」
 
 生きたままの解剖を是とする丘は中々お目にかかることが出来ない。
 完全な状態の脳髄。
 興奮した指先で脳膜を剥ぎ取ると、スプーンでまずは一口。 
 ソテーに胡椒をかけ、また一口。
 口に広がるは淡い味わい。
 
 「珍味。」
 
 死んだ体に腐敗が進む前に、
 残った箇所を寄り丹念に腑分けする。
 人体の神秘を見て、自分が興奮する為に。
 
 ああ、何と合理的で美しい複雑な機構、そして、未完成な生命体……♪
 
 
 以上。」
 
広告

kiwivege について

nothing
カテゴリー: シルバーレイン パーマリンク

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中