正義欠乏症候群

 「お前は乳輪のブツブツ一個にも劣る野郎!
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 過剰厭世症候群
 
 「始末をお願いします。」
 「はっ。」
 
 イグニッションを解き汚れた服を投げ捨てると、丘・敬次郎はその場を後にした。
 
 「どうだ、これが事実で真実だよ。畜生め!」
 
――――
 
 「いぃやぁあっ!!」
 
 トンファーの先端に誂えられた槌を叩きつけると、リビングデッドは引きちぎれ肉塊と化した。
 
 「お見事鳥越ちゃん!」
 「ありがとうございます……。」
 
 鳥越・九(いちじく)はゴーストタウンを仲間と探索している。
 連れる仲間は自分より力のあるものが常。
 詠唱兵器を集める効率の為と自分に言い聞かせはするが。
 
 「まだ、もっと強くならなくては……!」
 
――――
 
 鎖骨に舌を這わせると、女はびくりと総身を震わせた。
 男がくすりと笑う。体重をかけないようにゆっくりと身体を動かし、舌で首筋をなぞる。
 
 甘く一噛み。
 
 「あっ、痛……あ、あああああああっ!!!」
 
 蕩けた喘ぎは悲鳴に変わり、そしてぷっつりと途絶えた。
 筧・次郎は食いちぎった動脈を吐き出すと、いたずらっぽく笑った。
 
 「犬に食われたと思って、諦めてください♪」
 
――――
 
 灰色のツーテールが揺れるその背後には、ゴーストタウンの残骸が煙を上げていた
 黒服がセダンの後部座席に『彼女』を案内し、自分も運転席に滑り込む。
 
 「本日も精強で何よりです。」
 「いえいえ。」
 
 バックミラーに映る首領は、武器を取り出し手入れを始めている。
 上忍としてお傍についている自分ですら、首領のナイフ一本に敵わない。
 
 『彼女』――筧・小鳩――が漏らした言葉が、彼の溜息を押し込んだ。
 
 「日本列島ぐらいはさくっと壊せるようになりませんと……。」
 
 
 
――――――――
 
 「お前もいつか知るだろう、じゃないんです。
  お前は知らないまま死んじまうんだろうな、なんです。
  世の中にはいい事も悪い事もある、それはご存知の通り。でもね。
  誰も知らなかった悪い事を知ってしまうと戻れないんです。
  それはアフリカの子供が飢えてるだとか、政治家の癒着や裏金だとか、そんなちゃちなもんじゃない。
  わかります?
  この僕が、死体をバラバラにぶっ壊してなんとも思わないこの僕ですら吐き気を覚えるような、
  想像の外にいるおぞましい悪党がこの世には居るんです。
  少年少女を食う、事件を事故に変える、報道を握りつぶす、国を憎悪することに血道を上げる。
  僕らはそんな魑魅魍魎どもへの入り口だ。
  僕らを正しく憎み打ち倒してください。
  糾弾する資格の無い僕らの代わりに、この先へ進んでください。
  あなたにはそれができると、信じたまま死なせてください。
 
  さあ、
 
  「「「いらっしゃい。」」」」
 
 なんだこれ。」
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