認識していないものは事実ではない

 「迷惑だからやめてくれる?生きるの。
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 妄想シルバーレイン……。
 
 チェンジする?
 
――――「立ちなさい。」と彼は言った。
――――嫌だ。あいつの言うことなんて、もう聞いてなんかやるもんか。
 
 「へばりましたか?」
 
 四つん這いで何とか自分の体を支える鳥越・九を、見下ろしながら。
 丘・敬次郎は言った。
 
 そして駆け込み、鳥越の腹に蹴りを入れた。
 
 「っは……ああっ……!!」
 
 九は口を開くが、叫ぶ為の呼吸もできない。
 二度、三度、突き刺すような蹴りをたたきこむと、丘は彼女の服をつかみ、彼女の体を吊るしあげた。
 
 「……ふん。」
 
 詠唱兵器である衣服は、それほど傷ついてはいない。
 だが、その内側からおびただしい量の血が染み出ていて、垂れ下った左手は不自然な方向によじれている。
 
 浮いた体に、丘の掌底打ちが炸裂する。
 水練忍者の奥義、爆水掌。
 
 鳥越の体は十数メートルも転がり、丘はそれをさらに追いかけて、今度は硬い蹴りで体ごと転がす。
 
 「立ちなさいよ。」
 
 鳥越は顔を向けただけ。
 少しだけ険しい目で見上げるだけ。
 丘はその眼に、確かに抵抗の意を見た。
 
 「あははは!立て、立ちなさい!命令ですよ!?」
 
 蹴りあげる。浮かんだ体を殴り落とす。能力者の膂力は、鳥越の軽い体を簡単に吹き飛ばす。
 
 「あはははは!爺のリビングデッドは強かったんでしょう?
  お前をそんな目にあわせるほどに!
  僕なんかよりずっと強かったんでしょう!?」
 
 つい昨日の依頼で、鳥越はリリスとそれに従うリビングデッドの討伐に出た。
 だが返り討ちにあい、彼女は全治5日の怪我を負った。
 能力者の超人的回復力で5日。
 骨折や内臓破裂など、皮膚より下の組織に深刻なダメージが残る、そんな程度だ。
 
 丘はそんな彼女を蹴る、蹴る。蹴り転がす。
 
 鳥越は抵抗しない。できない。そんな体力は残っていない。
 
 「立ちなさい。」
 
 立たない。
 
 「立て、鳥越・九。」
 
 立たない。
 
 「僕なんかより強かったんだろう、そいつはぁあああ!」
 
 また駆けだす。
 
 「はあははははははは!!」
 
 全霊を込めた蹴り。返す腕から水の刃を投げつける。
 鳥越の体に深い溝が入り、傷と口から血を迸らせる。
 
 「こんなものじゃないんでしょう!あなたはあの時、ここまで痛めつけられても立って逃げたんでしょう!?
  逃げ果せたんでしょうがぁ!」
 
 更なる蹴りが鳥越の体を貫いた時、彼女の体を包むように赤い文字が空中に浮かんだ。
 
 “NoSuchMethodError : 詠唱銀によって発生するゴーストと戦い、怪異を取り除き、世界の常識を守る事こそ、現代の能力者達の使命なのです。 ”
 “NoSuchMethodError : 詠唱銀によって発生するゴーストと戦い、怪異を取り除き、世界の常識を守る事こそ、現代の能力者達の使命なのです。 ”

 “NoSuchMethodError : 詠唱銀によって発生するゴーストと戦い、怪異を取り除き、世界の常識を守る事こそ、現代の能力者達の使命なのです。 ”
 “NoSuchMethodError : 詠唱銀によって発生するゴーストと戦い、怪異を取り除き、世界の常識を守る事こそ、現代の能力者達の使命なのです。 ”
 
 鳥越の体から、丘がつけた傷が消える。
 “それ以前のものだけが残る”。
 
 ふん、と鼻息を鳴らす丘。しかし鳥越は強く見つめるだけであった。
 
 「立ちなさい。もう、遊びは飽きました。」
 
 しかし鳥越は、強い目で彼を見上げるだけであった。
 
――――わたしをこの里に連れ込んだあの時から。
――――お前はずっと、わたしの敵だ。

 
 以上……。」
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