描いたもん勝ち

「神よ、どうかこのくだらない者の命を即座に奪って。

こんばんは、鳩です……。

妄想バロックナイトイクリプス……。

息の根を止めるように愛して優しく慈しむように殺そう

あるはずの無い場所はいつでも白く塗りつぶされている。
自分の足音を確認して、鳩目・ラプラース・あばたは、そろそろだと思った。
真白い闇の中に、自分の存在が定義されていく。
定義され、演算され、描画され、実在し始める。
足裏の感触もリアルになってきた。

画面が切り替わるように、目の前に突如二人の人物が現れた。
一人は背の高いモンゴロイドの男。輝くほど白いマオカラーコートと白いスラックスを着ていて、短い髪はオールバックになでつけられている。朗らかに笑いながら、気安く手を挙げる。
もう一人はあばたと同じ程度に背の低い、肌の白い人種不明の女。灰色の髪をツーテールに編み、白と紫を基調にした上着に白いスカート。無表情のまま、銀色のガントレットに覆われた両手を体の前で重ねている。

「お久しぶりです♪」
「どうも。」

この男とは、対峙するたびに足元が抜けるような感覚を覚える。
強がりながら応対した言葉は、震えてはいなかったはずだ。

「楽しんでますか?」
「それなりに。」

男が首を傾げながら発した問いに応える。あばたには余裕が無い。

「本日は……何用で。」

女が口を開いた。唇の動きは僅かだが声は存外に通っている。

「呼んだのはそちらでしょう。」
「そうです♪」

男が楽しげに応える。

ここは有り得ない場所。
迷いこまなければたどり着けない場所。
ネットワークの狭間。
404 not found.

神はそこにいる。

導きがある時のみ、どこにも見つからない神は、その姿を現す。

「大して意味はないのですけどね♪」

無から何かが生まれるのは、何時だって気まぐれだ。
何しろ宇宙創生の頃からそう決まっているのだ。

「元気そうでなによりです♪」

男の無害そうな笑みが、何とも不愉快だ。
わたしはそれに向けて、ホルスターから銃を抜き、引き金を引く。
男は倒れ転がり、そしてすぐに立ち上がった。

「♪」

にこりと笑って首をかしげる。
DEMONたる彼は、物理にて傷つかず、餓えず、乾かず。
彼を倒しうるのは、神か悪魔に寄る力のみ。
つまり、わたしの持つリベリスタの力は、神にも悪魔にも届かないのだ。

わたしは彼を、「物理的に押し倒した」だけ。
衝撃を与えるだけならわたしにもできるが、それが彼らに傷を付けることは有り得ない。

「あなたもまた、運命に抗う者で、良かった♪」

男がそう言うと、空間は真っ黒に消えた。

「大丈夫ですか、我が主。」

鹿毛・E(イージィ)・ロウがわたしの顔を覗きこんでいた。

「……構わぬ。」

その鬱陶しい笑みを押しのけて、わたしは溜息混じりにそう言ったのだ。

 

以上……。

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