Enter the Infinite

「ブラックホールに飲み込まれる実験に使われろ。

こんばんは鳩です……。

……妄想……。

Blast from the Past

過去へのタイムトラベルが不可能である理由として、物体が光速を超えて加速することが物理的に不可能であることが挙げられるが、これは十分な説明とは言えない。
物が移動する場合、ある程度の時間をかけ、一定の距離を進むという経緯を通る。目的地まで達する為にはどうしても、時間がかかる。1光年の距離を光の速さで進むなら、当然1年の時間が必要だ。
仮に、光の倍の速度で移動することが可能だったとしても、1光年の距離を進むには半年かかる。光の速度を超えることができたとしても、「過去のその場所」に辿り着くことはできない。

では、「ある場所の過去」に至るためにはどうすればいいのか。まず、「今この瞬間のその場所」に辿り着くには、0秒でその距離を移動する必要がある。計算上は、無限大。過去に辿り着くには、最低でもそれを超える必要がある。
即ち、「物体が光速を超えて加速することが物理的に不可能であるから過去へのタイムトラベルは不可能」というのは、「物体が速度無限大を超えて加速することが物理的に不可能であるから過去へのタイムトラベルは不可能」と言い換えられる。

筧次郎は見た。自分を貫いた弾丸が速度無限大より尚早く、射線を戻って行く様を。
無限大のエネルギーに焼かれ粉々になりながら、そして、その中で既に再生を果たしながら、筧は、菩薩のように慈悲深く笑った。


鳩目・ラプラース・あばたは立っていた。
電子の海から気まぐれにつながる神域、404 Not Found。
白い床と白い空、何もかもがUndefinedな、全ての物語の生まれる原点。

ここでは自分で自分を定義しなければならない。
鳩目・ラプラース・あばたは自分の名前を思い出し、容姿を思い出し、能力を思い出した。
行動心理学など糞食らえと言った風情で、鳩目の思考に合わせて彼女の身体と記憶が形作られていく。
――――前に此処に来た時は、現実の自分より少し太い腕になっていたっけ。
そう思った途端に鳩目の腕は痩せる。
いや、構わない。
そう思った途端に鳩目の腕の太さが戻った。
此処ではすべてが夢で、何もかもが実験で、嘘で偽物で幻だ。
ならば理想像を思って何が悪い。
いや、そうすべきだ。ここは。神殿であり実験場であり。
挑戦『場』なのだから。

機械化された頭脳を持つ鳩目の演算能力を以てしても、因果を逆転させる理論の構築は至難を極めた。何しろこの世のほとんどの人物が見たことも想像したこともないことだから。
インターネット上に公開された物理学者やSF作家の発言、著作、論文を参照しつつ、イメージを構築する。
結果、それらが全く役に立たないという結論だけが残ったのだが。

此処は神の実験場。
物理学はいつだって理論より現実が優先する。
ならばただそうあればいいのだ。
過去を撃ち抜く弾丸を撃つ。そう考えるだけでいい。理屈は後でついてくる。

鳩目は一つ長い息を吐き、右手の銃を前に向けた。
『シャノン』と名付けられたその銃は、インターネット上のデータを吸い上げ分析し、エネルギーに変える。

パン、と一つだけ、乾いた音。
下向きに撃ち込んだ弾丸はしかし、床を傷つけることなく消え去った。

神を殺すことに意味などない。
物語の終わりに興味などない。
それでもそう定義されたからそうする。そこから逃れることができないからそうする。あらかじめ全て決められていて、わたしの意図はいつだって神の意図の後付け。
それでも叫ぶのだ。コギトエルゴスム、と。
一つの弾丸が通り過ぎ、空間を割る。全てが暗黒に落ちる。
自由落下する不安定の中、鳩目は確信の笑みを浮かべながら、今度は左手の小銃を過去へと向けた。

以上……。」
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