Endless March

「呼吸も脈拍もできることをあなたごときの存在を許すすべてに感謝してください。

こんばんは鳩です……。

……妄想アラタナル。

永遠の戦士
​インド。建物と建物の間から、板をを引きはがすような音とくぐもった声が悲鳴を上げようとして途切れたのが聞こえた。
恐る恐る覗きこむと、白い服を着た中国人らしき男が、豪奢な服を着たインド人の肋骨を引きはがしていた。
鎖骨を掴んだ手が引き下ろされると、骨が肉ごと剥げた。水音と破壊音の混ざった音がして、インド人は内臓を露わにした。
振り向いた男と目が合って。そこから先は覚えていない。

それが渡慶次・駆(とけいじ・かける)がトゥルーサーとして覚醒した瞬間であった。

――――この世には、学問で説明できない領域があるのです。

その声を聴いて。

白い服の男がそれからどうしたのかは覚えていない。
思いだせるのは、その日泊った宿で酷く身体がほてっていたことぐらいだ。

言えないことは山ほどやった。
ガンジャも口にしたし人も撃ったし女も買った。旅の恥はかき捨て、ではないが、汚い仕事に手を染めなければその場をしのげなかった状況があった。

それらの惨状を全て上回る、「人間の形をした怪物による殺戮」。
ああ、自分が悪事に慣れてきたのは、その為か。
これを見て、この世ならざる何かがあることに気づき、そしてそれがマフィアやヤクザの領域に近い猟奇の世界であり、それでも尚怖気づかずに立ち向かうための。
全ては前準備だったのだと。
人の領域で為されることは、もはや自分には薄っぺらな書き割り。
これから関わるのはオカルトでグロテスクなステージなのだと。

不動明王の力を宿すらしい右手の大ナタ。
覚者(トゥルーサー)として目覚めた直後に手にしていた、出所不明の神器。
それを手に、渡慶次は鉄火場へと飛び出すようになった。
だってそうだろう。彼は真実を、トゥルースを知ってしまったのだから。
インドで見かけたあの男が何者であるかということ。男に従者がいるということ。従者は男自身より男の理想に忠実であること。既にいくつもの並行世界の「神」の1柱として彼らが君臨してきたこと。それでも「神」は満足していないこと。
そしてその「神」が繰り出した端末たちの生まれと末路も。

俺には過去などない。それが真実(トゥルース)なのだ。
俺は登場人物でしかない。それが現実(トゥルース)なのだ。

そして、それまで彼らに作られてきた登場人物たちがそれを知り感じたように渡慶次もまた、「そんなのまっぴらだ」と思ったのだ。
神の繰糸を断ち切るため。この脳に刻み込まれた過去を事実(トゥルース)だと肯定する為。その刃を神に届かせると願ったのだ。

自分の人生を生きる。
自分の人生を取り戻す。
自分の礎を肯定する。

そのためなら。もう如何なる悪辣も惜しまない。
それこそが神の狙いであったとしても。

彼は手にした大鉈をアチャラナータと名付けた。最高神さえ叩きつぶした明王の名。
名は単なる言葉以上の意味を持つ。今の自分ならそれもわかる。
記憶によると、「創造物」達はどれもこれも大なり小なり憎しみを抱え、憎しみでも何か為せると足掻くように生きたそうだ。
植え付けられた憎しみであっても、それが正直な心の有様ならば。
例え何も実らせずとも、閃光のように徒花を炸裂させることは出来ると、信じて。望んで。

そう言えば。あの神に作られた男どもは確か、特に大した意味もなく、「妻を殺した過去がある」ということを強制されていたな……。俺も確か

以上……。」

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