届かぬ限り祈り続けられる

「粒子まで分界した後ブラックホールに捨ててやる。未来永劫お前のいた痕跡など決してこの宇宙のどこにも残さない。

こんばんは鳩です……。

……妄想ケルベロスブレイド……。

時計の針を

白虎の牙は黒い剣。
肉なき亡霊の虚しさを集め練り上げ作り上げた、完全なる真なる真空。
それが触れた場所は如何なるものも虚無と化し、偽の真空は真の真空へと相転移する。そこに偽物がある限り、刃はそれを否やといい、裏返し、炸裂させ、偽の宇宙を真なる虚空に帰す。


「100点の人なんていない訳よ、総合で見たらさ。実際プラスマイナス70行けばいい方で、80、90と出会ってモノにできるかどうかって話。」
「じゃあ何?最高でも99点の男しかいないって訳?マイナス1点は我慢しなきゃいけないの?一生?それとも一緒に過ごす内にそれも好きになってるかもってこと?
ワタシはどっちもイヤだ。」


彼はそうやってもう幾つもの宇宙を消滅させてきた。
目の前の敵を倒すために、自分の力を増すために、相棒の力を育むために。
「マダマダくたばらナイ。」
筧次郎の目の前の、女の形をした何か。
左腕のような何かに、男と同じ虚無を宿している。


「男とは限らないじゃない?」
「男じゃなければ0点よ。」


パトリシア・バランは左手に、銀の籠手を装着している。
神の半身、鳩の銀腕の欠片を溶かしこんだもの。神域に届く逸品。
欠片とは言え、それは無限にして虚無の一片。無限の一片は無限であり、虚無はどこまで分割しても虚無である。
今やパトリシアは、筧の剣と同じ無にして無尽蔵の黒を宿していた。


「100点の男を探し続けて、30超えちゃったんでしょ?いい加減諦めなよ。」
「歳は関係ない。100点の男じゃなきゃダメって訳でもないヨ。
ただ、一生、ずっと、絶対に我慢しなきゃいけないってのが。
その約束が、嫌ナノ。
嫌なハズなモノを受け入れる自分になっちゃうノモ。」


右腕は金籠手。左に比べれば薄く華奢で、籠手というよりは手袋に近い。
こちらには、神々の加護も因縁もない。ただ単に銀の片腕の相方というだけ。
見た目だけ、形だけ、それらしさだけ。


「ラインホールド・ニーバーの祈りって知ってる?」
「ラインホールドと名の付くものは憎むと決めてるノ。お生憎ダケド。」


銀の片手の対、ただそれだけの為だけに金。
何の意味も無い金色は、それでもブラジリアンの褐色肌によく映えた。
ならばこれはパトリシア・バランの金だ。ワタシがワタシらしくあるための金色。
コギト・エルゴ・スムのゴールド。


「頑固な婆になって死んでいくのが見えるよ。」
「死ぬまで頑固でいられるなら本望ヨ。」


黄金の自我。誰にも破壊されない己の意思。
それをパトリシアは筧に向ける。
神域の銀ではなく、自我の金を。


 

「死ぬまで頑固ってことは、死ぬまで妥協しなかったってことデショ。
変えられるかどうかなんて問題じゃナイ。
神に知恵をくれ何て祈ったりシナイ。
変えられないからこそ、変える価値がアル。
変わってしまうからこそ、変えない価値がアル。
何の意味も無くたっテ、誰も認めてくれなくたっテ、ワタシはがそうしたいんダッテ、いつまでも戦える。」


金籠手の右ジャブが奔った。無限より速く。
――――おお、神よ。
――――変えられないもの変える超越を
――――変えられるものを変えずにいる永遠を
――――そして、変えられるものと変えられないものを
――――見分ける知恵を
――――あなたを殺して奪い取る。

以上……。」

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