全ての終わりの始まりに

 「魔の本質とは正に人の本質に他ならない。
 
 何故なら、最悪たる魔を想起できるのは人以外にないからだ。
 
 
 こんばんは、鳩です……。
 
 
 妄想エンドブレイカー……。
 
 悪龍魔人
 
 「がっ、はああああ……!!」
 
 紫の炎に肺まで焼かれ、その男は痛む胸で必死に酸素を吸った。
 殺される。殺される、死ぬ死ぬ死ぬ。
 
 振り向けば、その影は立っている。
 そして、外套から伸ばした手から、再び灼熱の闇を放った。
 
 「ひ……!」
 
 黒い炎は、男を恐怖諸共獣のように噛み砕いた。
 
 「……。」
 
 影はフードを少し上げると、炭化した死体に歩を進める。
 そして、微動だにしないことをしかと確認した。
 
 『最短を常に考えなさい』
 彼の悪魔が笑う。
 彼は、魔術師であった。
 
 
 
 「モグラ。」
 「はい。」
 
 上座に座る男の声に、影が答えた。
 
 「此度は御苦労であった。」
 
 コインの詰まった袋を、従者が影に差し出す。
 
 「確かに。」
 
 影は袋の重みを確認すると、腰に結んでそそくさと部屋を出た。
 
 扉を閉め終わると同時、影の手が動き爪がきらめいた。
 その左手に、躍りかかった刺客が返り討たれる。
 
 『全てに気を配れ、一瞬先の未来を見ることができるように』
 彼の悪魔が唸りを上げる。
 彼は、獣であった。
 
 
 影が走る。
 五つの追手を連れ、石畳を踏み鳴らす。
 
 まずは影の前を走る二人が、追われる影に飛びかかった。
 影が頭を下げ外套がはためき、その上を鈍い輝きが通り過ぎた。
 
 うずくまる影に後方からの三人がかかる。下、横、上。
 影は右手で背負った剣を抜き、左手を上に突きだした。
 足元を狙う刃が大剣い阻まれ、上からの強襲を召喚された魔の刃が迎撃した。
 横からの攻撃が影の背中を強かに叩く。
 
 勝利を確信した追手はしかし、茶色い眼光が健在であることに驚かされる。
 
 『鍛えよ、肉体は裏切らない』
 彼の悪魔が鳴く。
 彼は、鉄人であった。
 
 
 影が剣で薙ぐと、四つの影が後ろへ跳んだ。
 一番近い刺客に、影が左手を伸ばす。
 魔術を警戒して刺客が防御態勢を取る。
 だが、影の左手から滑り出たのは細い笛であった。
 
 一瞬の動揺の隙に、影は笛を口に含み強く吹いた。
 夜空に甲高い音色が響き渡る。
 離れた二人と近い二人が、それぞれ逃げる覚悟と斃す覚悟を決めた。
 
 先ほど虚を突かれた最も近い影が、怒りを込めて跳びかかる。
 その足先に影は笛から含み針を吹きこんだ。
 
 躓き前のめる刺客に影は大剣を振りかぶり、容赦なく両断した。
 もう一人の刺客が、振り下ろされた剣の横へ回り込む。
 わき腹目がけ細く鋭いナイフを突き込む。
 
 だが、刃が影に届く前に視界が布に覆われた。
 影が振り回した外套が、刺客を横殴りに襲ったのだ。
 重い布が絡み抜け出せない。
 ようやく後ろに跳び退った時に、見えたのは。
 
  悪魔遣い 
 
 

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 この作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する
『エンドブレイカー!』の世界観を元に、
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 今回のリクエスト内容は以下の通りです。
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 キャラクター   :モグラ・パトリック(c02456)
 商品名      :全身イラスト
 料金       :★5個
 サイズ      :横480×縦640ピクセル
 完成予定日    :2010年6月18日
 発注文章     :参照用バストアップ通り、軽装甲冑にローブです。
顔つきは、彫が深いというより年輪が多い感じ。
腰やローブの内側に武器や道具をぶら下げており、手を突っ込めば何でもできる、という風。
装備中の武器は爪と大剣。
爪:角ばった形状です。横幅は掌より小さいのですが、刃渡りは長く鋭いのです。
剣:スコップの先端部分を伸ばしたような形状。
スコップとバスタードソードの中間+肉厚の刃と言った風情。
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 巨躯が回転の勢いを付けて振った剣は、刺客のナイフをあっけなくに叩き折る。
 そして、その重量を如何なく発揮し、そのまま彼の体を叩き潰した。
 
 『道具とは人の知恵の結晶』
 彼の悪魔が炎を吹く。
 彼は、人であった。
 
 モグラ、パトリック・ケイジバランズ。
 
 彼は、悪魔遣いであった。
 
 以上。」
 
「追記。
mtkt様の雑記より転載。

バロング(バスタードソードと鉄塊のあいのこ)の巨大版と、

鉄塊とバロングについてはこちらを参照ください。
 
mtkt様、ありがとうございました……。
 
鳩の拙い注文に、十全以上に応えてくださったと思います。
 
……ただ、敢えて、敢えて苦言を呈すなら……。
 
奥の左足は、もう少し奥にしていただけると、左右の足がわかりやすかったか……。
 
しかし、それはmtkt様の如何なる工夫も覆すものではありませんって言うか
 
外套の下に万の暗器って大好きなのでありがとおオオ大」

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