「きっとお前の最低さは俺が一番よくわかってる。それが気に食わない。
お前が最低でクズだってことを世界の共通認識にして、世論と集団潜在意識にお前を抵抗もできないまま食わせてやりたい。
こんばんは、鳩です……。
妄想シルバーレイン……。
無意識レジストリ
お前なんかどうでもいい
お前なんかどうでもいい。
丘・敬次郎は仲間と共にゴーストタウンを蹂躪中である。
ナイフを振るい、リビングデッドを、地縛霊を、リリスを切り倒していく。
「ありがとうございます♪」
バックアップしてくれた仲間に笑顔で返すも、その表情の堅さには気づかれていただろう。
丘に見えているのは、遥か遠い『お屋形様』の影。
超音速で動き回り、パンチの余波だけでゴーストどもを微塵に砕き、
およそ蛋白質で出来た全てを圧倒的な膂力で破壊しつくすことのできる魔人。
あれを追いかけなくては。あれにならなくては。
『まともにゴーストと戦ってやっと勝てるようでは全くお話にならない』!
いつもはそんなこと思わない。
いつもは。
断崖絶壁登頂の最中に、山頂への距離ばかり気にしていては滅入るばかりだろう。
けれど、今日は手紙が来た。
丘が密かに愛する『あの子』から。
内容などどうでもいい。
心を淡く色づけてくれるその言葉づかい、その存在が、どれほど心を満たしてくれるか。
だから愛した。だから愛し続けられる。
『あの子』に、僕のふざけたノゾミに触れさせるわけにはいかない。
ふざけた神を斃すというふざけたノゾミに、巻き込まないために。
何事も無かったように全て終わらせるために。力がいるんだ。
リビングデッドの鈍器が、黒髪を強かに打つ。
それが、どうした。
叩くなら脳まで粉々にしてみろ、この、『お屋形様』未満が!
――――力でしか愛せない 悲しいほどに孤独な性(サガ)
――――駆け抜けていく衝動が 体 支配 していく 歓声の中で
――――探していた真実は 数え切れぬ 地獄の底
――――抑えきれぬ欲望が 心 支配してく ゴーストのダンス
――――この世界のキャンバスで いくつ 夢を 暴いたんだ
――――未完成な魂よ 描き続けてゆけ ステージのピカソ
THE BACK HORN『証明』
以上。」